[21日 ロイター] – 米格付け会社S&Pグローバルは21日、複数の米銀の格付けや格付け見通しを引き下げた。資金調達を巡るリスクや収益性の悪化で銀行部門の信用力が試される可能性が高いと警告している。

米格付け会社ムーディーズも今月、米国の銀行10行の信用格付けを1段階引き下げたほか、一部の主要行を格下げ方向で見直しの対象としている。

S&Pは資金調達リスクとブローカー預金への依存度上昇を理由にアソシエーテッド・バンコープバレー・ナショナル・バンコープを格下げ。

UMBファイナンシャル・コープ、コメリカ・バンク、キーコープについても、大規模な預金流出と足元の金利上昇を理由に格下げした。

S&Pは、金利の急上昇が多くの米銀の資金調達と流動性を圧迫していると指摘。連邦準備理事会(FRB)が量的引き締めを行っている限り、連邦預金保険公社(FDIC)の付保対象銀行の預金減少が続くと述べた。

S&PはS&Tバンクリバー・シティ・バンクの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更。商業用不動産へのエクスポージャーが高いことなどを理由に挙げた。