[ヒューストン 28日 ロイター] – 米石油大手エクソンモービルは28日公表した最新のエネルギー情勢見通しで、2050年時点でも石油と天然ガスが世界のエネルギー需要の54%を賄うことになり、このままでは地球の平均気温上昇を産業革命前に比べて摂氏2度未満に抑えるという国際的な目標は達成できないと予想した。
エクソンによると、50年のエネルギーに関連する二酸化炭素(CO2)排出量は250億トンの見込み。これは国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が「2度未満」の目標実現に見合うとしている排出量110万トンの2倍以上だ。
同社は「エネルギー移行は進んでいるが、CO2排出量実質ゼロの社会を目指す上で必要な規模や時間軸には発展していない」と述べた。
国際エネルギー機関(IEA)は、50年までに世界を排出量実質ゼロに到達させるクリーンエネルギー技術に多大な投資をしなければならないと呼びかけている。
しかしエクソンは、50年までに排出量実質ゼロを実現するために不可欠な55種類の技術のうち「軌道に乗っている」のは2種類しかないと指摘。50年までに排出量は25%しか減らすことができないとの見方を示した。
エクソンは27年までの6年間に、CO2貯留・隔離や水素生産といった低炭素技術へ170億ドルを投資しようとしている。