「ジャニーズ離れ」世間にも広がり、大きなうねりに…見通しの甘さ認めた東山紀之社長「いかに自分たちが内向きかと」「全て後手後手に」<読売新聞オンライン>2023/10/03 07:40
性加害者の名を冠した会社名を一掃し、被害者への補償を済ませたら廃業する――。ジャニーズ事務所は2日に開いた記者会見で、1か月前に表明した方針を大幅に転換した。世間やスポンサー企業に広がる「ジャニーズ離れ」が大きなうねりとなり、東山紀之社長(57)は「いかに自分たちが内向きで、いけなかったかということを感じている」と、見通しの甘さを認めた。
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東山社長はこの日の会見で「自分たちでジャニーズ事務所を解体する」と沈痛な表情で語った。
性加害に関する初の記者会見を9月7日に開いてから1か月弱。この間、スポンサー企業が所属タレントの起用見直しを相次いで表明し、事務所は大きな方針転換を余儀なくされた。東山社長は「(社長に)就任してから最初の記者会見まで2日しかなく、全て後手後手に回っていた
記者会見するジャニーズ事務所社長の東山紀之氏(中央)と井ノ原快彦氏(左)ら(2日午後、東京都千代田区で)=三浦邦彦撮影
とは自分でも感じていた」と反省の言葉を口にした。
事務所が9月13日に設置した被害者救済委員会には、同30日までに325人から補償の請求があった。東山社長は「これほどだったのか、という思いが強い」と述べた。喜多川氏の性加害については「結論として、僕は見て見ぬふりをしていた。被害者はどうしたら癒やされるのか、僕は向き合っていかなければいけない」と語った。同席した井ノ原快彦氏(47)も、「(喜多川氏の)絶対的な支配の中にいたんだと思う。被害者の一人が勇気を出してくれたおかげで、何人もの人たちが告白できた。それを無駄にしてはいけない」と訴えた。
今回は、どのように事務所が再出発するのかについて方針が示された。希望する所属タレントを受け入れるという新会社には、喜多川氏のめいの藤島ジュリー景子氏(57)は出資せず、同族の関与は断ち切る。タレント個人やグループと個別に契約を結び、活動をサポートする形を主体とし、若手など希望者は所属も可能とする。副社長に就任する井ノ原氏は「タレントが、強い会社に守られる存在だったことで甘えが生まれ、内向きになった。事務所を解体するからには、体質を根本的に変える必要がある」と説明した。
藤島氏は「SMILE―UP.(スマイルアップ)」に名称変更する事務所の取締役にとどまり、被害者への補償業務に専念する。記者会見には出席しなかったが、井ノ原氏が代読した手紙では「事務所を廃業することが加害者の親族として、やりきらねばならないことだと思っております。ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたい」と強い言葉で宣言した。
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