• 再び150円台に下落、イスラエル地上侵攻後ずれも、中国当局が調査
  • 米下院議長選に共和党議員9人が立候補、米自動車ローン滞納増加

米国債相場で不安定な値動きが続いています。先週には米10年債利回りが約40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の幅で上下。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演後には5%の節目に接近しました。アリアンツの首席経済顧問、モハメド・エラリアン氏は金融当局者の発言が不安定さを招く要因となっており、「行き過ぎたデータ依存から、より将来を見据えたデータ依存へと軌道修正する必要がある」と論じています。今週は個人消費支出(PCE)価格指数やミシガン大調査のインフレ期待、国内総生産(GDP)など重要指標の発表が相次ぎます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

再び150円台

アジア時間23日早朝の外国為替市場で円相場が再び1ドル=150円台に下落した。日米金利差を意識した円売り・ドル買い圧力が強く、日本の通貨当局による為替介入への警戒感が高まっている。円相場は対ドルで一時前営業日比0.2%安の150円11銭まで下落。3日の海外市場では150円16銭と昨年10月21日以来の安値を付けた後、147円43銭まで急反発する場面があった。日本銀行がディーラーに相場水準を尋ねる「レートチェック」や実弾介入の有無は明らかでないが、市場の警戒感の強さを示した。

地上侵攻後ずれも

イスラエルはガザでイスラム組織ハマスによって捕らえられている人質を早急かつ大規模な形で解放するための外交努力を支持していると、交渉に詳しい複数の関係者が語った。ガザへの地上侵攻の先延ばしや作戦の変更につながる可能性もあるという。イスラエル軍は親イラン民兵組織ヒズボラが隣国レバノンを戦争に引きずり込む危険性があると警告。一方、米軍と多国籍軍が駐留するイラクの空軍基地がロケット弾の標的となり、ブリンケン米国務長官はイランの代理勢力に対して米軍を攻撃しないよう強くけん制した。

中国当局が調査

アップルのスマートフォン「iPhone」の受託生産で知られる台湾の鴻海精密工業は、中国当局の調査に協力すると明らかにした。内容については明示していない。中国共産党系の新聞、環球時報はこれに先立ち、税務当局が広東省と江蘇省にあるフォックスコンの関連会社に対する調査を行っていると報道。河南省と湖北省におけるフォックスコンの土地利用について天然資源当局が精査しているとも報じていた。

下院議長選

米下院議長選はこれまでに共和党から9人が立候補を表明した。ジョーダン議員の候補指名取り消しで振り出しに戻っていた議長選出のプロセスがさらに長引く可能性がある。マッカーシー前議長に近いトム・エマー議員、下院議事運営委員会の委員長を務めたピート・セッションズ議員ら9人が立候補を表明。マクヘンリー暫定議長によると、共和党は23日にワシントンに戻り、午後6時半から議長候補者に関する会合を開催。24日に選出手続きを開始する。

約30年ぶり高水準

米自動車ローンの滞納率がおよそ30年ぶりの水準に上昇している。格付け会社フィッチによると、サブプライム層向け自動車ローンの延滞率(60日以上)は9月に6.11%となり、データがさかのぼれる1994年以降で最も高い水準となった。背景には、自動車価格の値上がりと借り入れコストの上昇がある。米金融当局は長期にわたって高金利を維持する方針を示唆しており、とりわけ数百万人に上る最近の学生ローン返済再開を踏まえれば、自動車ローンの延滞増加は今後も続く可能性が高い。

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