半導体大手の米ウエスタン・デジタル(WD)が、キオクシアホールディングス(HD、旧東芝メモリ)との経営統合協議を打ち切った。関係者への取材でわかった。月内の最終合意を目指していたが、キオクシアに間接出資する韓国のSKハイニックスが同意せず、交渉は難航していた。
将来的にキオクシアとの連携を視野に入れるSKは、統合によりWDの主導権が強まることを懸念して、同意していなかった。交渉には、経済安全保障の観点から、日米両政府も深く関わっていた。
キオクシアとWDは、パソコンなどの記憶媒体となるNAND型メモリー半導体の生産で強みを持つ。世界的に需要が大きくなる中で、競争を勝ち抜くには、巨額の研究開発費や設備投資が必要となる。統合によって、規模の効率化と巨額の資金が確保でき、態勢を整える方針だった。
キオクシアが日米韓連合に売却される際に、統合には、SKを含む出資者の同意を必要とする取り決めがなされていた。
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