• バイデン大統領とイスラエル首相が電話会談、GMだけスト未解決
  • 中国恒大集団の審理、FOMC注目の消費者支出能力、中国外相発言
A trader on the floor of the New York Stock Exchange in New York, US, on Friday, March 10, 2023.
A trader on the floor of the New York Stock Exchange in New York, US, on Friday, March 10, 2023. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

「ボラティリティー(変動性)の時期」。ハートフォード・ファンズの債券ストラテジスト、アマ―・レガンティ氏は米国債市場をこう表現します。今週は中銀ウィークと呼ばれるほど重要日程が続き、金融市場はこうしたイベントに翻弄(ほんろう)される可能性があると指摘されています。日本銀行から米連邦公開市場委員会(FOMC)、イングランド銀行(英中銀)などに至るまで、一連のイベントをこなした後の11月3日には、10月の米雇用統計が発表されます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

最新動向

バイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、人質の安全を確保する努力やガザ地区への支援物資搬入を増やす必要性を協議した。ジョンソン米下院議長は今週、下院でイスラエルに対象を限定した支援法案が可決するとの見通しを示した。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、戦争が中東地域に波及する「リスクは高まっている」と発言。駐留米軍をイランの代理勢力が攻撃するなら、米国は応酬を続ける意向だと述べた。イスラエルのネタニヤフ首相は28日、ハマスとの戦闘が「第2段階」に入ったと表明。地上侵攻は「長く難しい」ものになると警告している。

残る1社

全米自動車労働組合(UAW)は28日、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)に対するストライキを拡大した。一方、ステランティスとは新たな労働協約で暫定合意に達した。UAWがデトロイトの自動車大手に対して歴史的なストを始めてから6週間余りが経過し、労組側と合意に至っていないのはGMのみとなった。一連のストで業界には数十億ドル規模の負担がかかっている。関係者によると、ステランティスやフォードと同様、GMも時間給労働者を対象とした25%の賃上げと生活費手当に同意したが、臨時雇用の従業員を含む問題でなお隔たりがあり、交渉は停滞しているという。

49兆円の命運

中国の不動産開発大手、中国恒大集団に対する清算申し立てを巡る審理が30日に香港高等法院で開かれる。約3270億ドル(約49兆円)相当の負債を抱える中国恒大に清算命令が出された場合、香港の法律下でこうした命令を受ける不動産開発会社としては過去最大級となる。社債保有者グループは今月のプレスリリースで、清算となれば中国恒大の「制御不能な崩壊につながる」恐れがあり、再編を進める上で当局の承認を得られなければ「中国企業の再編に向けた道筋も尽きる」と主張した。

財布の減り具合

米個人消費の予想外に強い回復力が、向こう数カ月に試されようとしている。返済遅延の増加や返済額の膨張、現金残高の減少が家計のバランスシートを圧迫している。米連邦公開市場委員会(FOMC)では、個人消費が下火になるのか、このまま勢いが続くのかが最大の疑問だ。政策金利は22年ぶりの高水準に据え置かれる見通しだが、将来の会合で金利を引き上げる必要性についても協議する。サーム・コンサルティングの創業者で、かつて連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストだったクラウディア・サーム氏は「1年を通してみると本当に堅調だった。問題は、これがどの程度持続するのかということだ」と語った。

首脳会談への道

中国の王毅外相はバイデン大統領と習近平国家主席による米中首脳会談への道のりは平たんではなく、コンセンサス達成に向けた双方の努力が必要だと述べた。サンフランシスコでの会談実現を両国が「自動操縦」に頼ることはできないと、ワシントンでの外相発言を中国外務省が声明で明らかにした。11月にサンフランシスコで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、バイデン大統領と習主席が会談することで米中は原則合意しているが、まだ最終的な調整ができていない。

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