Lucia Mutikani

米10月雇用15万人増、予想以上の鈍化 自動車ストが影響

[ワシントン 3日 ロイター] – 米労働省が3日発表した10月の雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比15万人増加で、市場予想以上に減速した。全米自動車労組(UAW)による三大自動車メーカでのストライキが影響した。ロイターがまとめた予想は18万人増加だった。

10月はまた、平均時給の前年比での上昇率が約2半ぶりの低水準となったほか、労働力の減少にもかわらず失業率は3.9%と、前月の3.8%から小幅上昇し、2022年1月以来の高水準を更新。

9月の非農業部門雇用者数は33万6000人増から29万7000人増に下方修正され、労働市場が失速しつつある可能性が示された。

米連邦準備理事会(FRB)は10月31日─11日1日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合連続で金利据え置きを決定。今回の雇用統計受け、現在のサイクルでの利上げは終了したと見方が強まった。 もっと見る

BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニア・エコノミスト、サル・グアティエリ氏は「FRBにとって望ましい内容だった」とし、「唯一のマイナス点は労働力の減少だが、それでも今回の雇用統計が全体的に軟調だったことで、FRBは12月の次回会合でも金利据え置きを決定する公算が高まった」と述べた。

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<UAWストが重し>

製造業の雇用は3万5000人減少。9月の1万4000人増から減少に転じた。UAWによる三大自動車メーカでのストで合計3万3000人の職が失われた。ストは終了しており、11月は雇用を押し上げる可能性がある。 もっと見る

政府の雇用は5万1000人増。主に地方政府の増加で押し上げられ、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻った。

建設業は2万3000人増。社会支援や専門職・ビジネスサービスも増加した。

レジャー・接客は1万9000人増。ただ、過去12カ月の月平均(5万2000人)は大きく下回った。

運輸・倉庫は減少。情報産業はハリウッドで続いているストが引き続き重しになっている。

<賃金の伸び鈍化>

平均時給は前年比4.1%増と、伸びは9月の4.3%から縮小し、21年6月以来最小。前月比では0.2%増と、9月の0.3%から鈍化した。

賃金上昇圧力は緩和しているものの、 平均時給の前年比での伸び率は、エコノミストがFRBのインフレ目標である2%と合致するとする水準(3.5%)をなお上回っている。

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▽米雇用は予想以上に伸び鈍化、広範囲の業種で減速-失業率上昇<bloomberg日本語版>2023年11月3日 21:36 JST