• ガザ地区の将来巡り会談、中国の「長い冬」、御手洗氏インタビュー
  • ロシアがリビアに基地創設か、韓国が株式空売りを禁止
Pedestrians on Wall Street near the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, US.
Pedestrians on Wall Street near the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, US. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見や雇用統計の下振れを受けて、足元では利上げ打ち止め期待から、米国株・債券ともに回復基調が鮮明になっています。ただ、その結果として金融環境が緩めば、国債利回り上昇が追加利上げの代役を務めるとの見立てが崩れる展開もあり得そうです。ドイツ銀行の欧米クレジット戦略責任者、ジム・リード氏はハト派的な市場の反応が続けば「タカ派的な反撃をあおりかねない」と述べています。今週はパウエル氏に加え、複数の連銀総裁による講演が予定されています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース

ガザ地区の将来

ブリンケン米国務長官はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のラマラでパレスチナ自治政府のアッバス議長と会談。ガザの将来においてパレスチナ自治政府が中心的な役割を果たすべきだとの米国の考えを、アッバス議長に伝えた。アッバス議長は会談後「ヨルダン川西岸とガザ地区の両方の包括的な政治的解決の枠組みにおいて、われわれは全責任を負うことを強調した」との声明を出した。ブリンケン長官はこの後、イラクのバグダッドを訪問。ラマラ訪問もバグダッド訪問も事前に予定が公表されていなかった。イスラエル軍はガザ市に「大規模な」攻撃を仕掛け、完全包囲したと報道官が述べた。

中国の「長い冬」

中国経済は今年、息を吹き返し、その過程で中国の株式と債券は再び世界の投資家にとって「マストバイ」となるはずだった。しかし、10カ月経った今、現実は全く異なる様相を呈している。経験豊富な投資家すらも不意を突かれており、中国政府の新たな経済モデルに見合うよう、手法の見直しを迫られている。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のアジア債券部門マネジングディレクターのスティーブン・チャン氏は、数年前より中国債券のアロケーションを引き下げたと話す。

「1桁」安い

キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)は10月に発売したナノインプリント技術を搭載した半導体露光装置の製品価格について、極端紫外線(EUV)露光装置と比較してかなり低額に抑えられるとの見方を示した。御手洗氏はインタビューでナノインプリント装置の特長について、「EUVに比べて全然安い。1桁違う」と述べ、「存在価値が非常にある」とした。具体的な社名の言及はしなかったが、半導体メーカーでは「期待してくれているところがたくさんある」とも述べた。

リビアで基地創設か

ロシアがリビア東部で軍事的プレゼンスを拡大する動きを見せている。海軍基地の創設につながる可能性があり、そうなればロシアは欧州の南に強力な足場を築くことになる。ロシアのプーチン大統領とリビアの軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のハフタル司令官は9月下旬にモスクワで会談した後、防衛協定の締結に取り組んでいると、複数の関係者が明らかにした。元米リビア特使のジョナサン・ワイナー氏は「ロシアがそこに港を築けば、欧州連合(EU)全域を偵察する能力を得る」と述べた。

空売り禁止

韓国は株式の空売りを11月6日から2024年6月まで禁止する。韓国金融委員会(FSC)が5日に発表したもので、ルールや制度の「積極的」な改善を図る。来年6月30日まで韓国200種株価指数とKOSDAQ150指数の構成銘柄について、借株による取引が禁止される。FSCは市場の不確実性の高まりに先手を打って対応する必要があり、日常的なネイキッド・ショート・セリング(裏付けとなる株式を借りずに行う空売り)が公正な価格形成を損なう懸念があると指摘した。

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