• 日本勢の米社債売却続くか、米政府閉鎖リスク後退、米中首脳会談
  • 米格付け見通し引き下げ、肥満治療薬で血糖と炎症が改善

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、適切と判断すれば一段の引き締めをためらわないと明言しました。インフレ率は低下しつつあるものの、当局目標の2%を上回ったまま。14日発表の10月消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比4.1%上昇と予想されています。上振れすれば、ドル・円は1ドル=151円95銭を超え、約33年ぶりの円安・ドル高水準に進む場面もありそう。外国為替市場では介入警戒感とのせめぎ合いが続きます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

日本勢の動きに注目

日本の投資家による8月の米社債売却が一時的な動きなのか、新たなトレンドの始まりなのか手掛かりを得ようと、クレジットマネジャーは米財務省が16日に公表する9月の対米証券投資統計に注目している。同省統計によれば、日本の投資家は8月に米社債計172億ドル(約2兆6000億円)相当の売り越しと、売越額としては過去最高となった。為替ヘッジコストが20年強ぶりの高水準となり、米社債投資の魅力が低下したことが背景にある。

政府閉鎖リスク後退

ジョンソン米下院議長が新たなつなぎ予算案を提示し、連邦政府機関が18日から閉鎖に追い込まれるリスクがやや後退した。議長の提案では、共和党保守派の一部が求める大幅な支出削減などを盛り込まなかったことで、民主党との間で妥結に至る見通しが改善。下院共和党指導部は14日の本会議採決を計画しているが、党内造反の動きを踏まえれば、可決には民主党議員の賛成が必要となる。一方、保守強硬派の造反が長引けば議長はつなぎ予算案の撤回を余儀なくされ、政府機関閉鎖のリスクがあらためて高まることになる。

軍事対話再開なるか

1年ぶりの米中首脳会談について、ホワイトハウスは両国間の軍事対話再開を優先事項として挙げた。米中軍事対話は昨年のペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問をきっかけに途絶えており、先月に中国の李尚福国防相が更迭されたことも再開を難しくさせている。バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は15日にサンフランシスコで行われるアジア太平洋経済協力会議 (APEC)首脳会議に合わせて会談を行う。イエレン米財務長官は首脳会談に参加する予定で、来年に再び中国を訪問する計画だという。

格付け見通し引き下げ

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは10日、米国の信用格付け見通しを従来の「ステーブル(安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。財政の健全性に関するリスクや政治の分極化を理由に挙げた。「米国の財政力に対するダウンサイドリスクが増大し、もはや米国独自の信用力で完全に相殺できなくなった可能性があると判断した」と説明。格付けは最上級の「Aaa」で維持した。

血糖と炎症が改善

デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクは肥満症治療薬「ウゴービ」の研究結果の詳細を公表した。研究結果は心臓血管疾患の既往を持つ肥満症患者の心臓発作と死亡例を減らす上で、同治療薬の使用を支持する内容として注目されている。米国心臓病学会(ACC)心臓血管疾患予防セクションのユージン・ヤン氏はインタビューで、調査結果について「革新的」と評価した。

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