• 貿易巡る緊張が高まる中で、政府は内需押し上げに注力すべき-賈氏
  • 政府主導で雇用を増やし公共支出拡大を-所得・消費引き上げに寄与
Pedestrians and shoppers on Nanjing Road shopping street in Shanghai, China
Pedestrians and shoppers on Nanjing Road shopping street in Shanghai, China Bloomberg

中国で現代貨幣理論(MMT)推進派として知られる賈元良氏は、欧米諸国による貿易制裁で打撃を受けた国内経済を支えるために、財政支出を圧倒的に増やす必要があると提唱した。

  具体的には、中国は今後10年間、対国内総生産(GDP)比で平均5%を超える財政赤字を容認すべきだと述べている。中国政府は先月、景気浮揚を狙った異例の年度途中の予算修正で財政赤字の対GDP比率上限を従来の3%から3.8%に引き上げたが、賈氏が唱える水準はこれをさらに上回る。

中国、財政赤字拡大と国債増発を承認-異例の予算修正で経済支援強化

  中国人民大学の教授を務める賈氏は、新著「Modern Monetary Theory in China(仮題:中国における現代貨幣理論)」を共同で執筆。このほどブルームバーグのインタビューに応じた。MMTは自国通貨で借り入れを行う国・地域は、支払いに充てる貨幣を自在に創出できるため、実質的な債務上限に直面しないとする非伝統的な経済理論だ。中国ではここ数年、当局が景気減速への対応として財政刺激策やインフラ投資への依存を強める中で、MMTへの注目が高まっている。

中国にもMMTの波-債務抑制重視の政府に財政刺激強化求める声続々

  過去数年にわたり中国経済の重要な成長の原動力であった輸出に対して西側諸国が制限を維持する中で、中国当局は取り組みを強化する必要があると賈氏は指摘。また国民の所得と消費を引き上げるため、政府主導で雇用を増やし、公共支出を拡大することも提言している。

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賈元良氏

原題:Chinese Scholar Calls On Beijing to Raise Deficit Ratio to 5%(抜粋)