【ベルリン時事】ポーランドのトラック運転手らが、「ウクライナ企業との不公平な競争」の改善を求めて、ウクライナ国境を「封鎖」する抗議活動を続けている。周辺国から支持の声が上がり、混乱は拡大。ウクライナ産穀物の受け入れに反対した農家に続く動きで、新たな「支援疲れ」が顕在化した。
トラックで道をふさぐ抗議活動は、11月6日に始まった。3カ所以上の検問所で、トラックが1時間に数台しか通れない状態だという。市場調査によれば、国境を通過するウクライナの農産品は、このところ1日当たり約3700トンで、前月のピーク時から半減。寒い中で長時間の待機を強いられる運転手への負担は大きく、順番待ちの間に死亡する例も報じられている。
ロシアがウクライナに侵攻して以来、黒海を経由していた輸送の一部が陸路に切り替わった。欧州連合(EU)はウクライナの運送業者の出入りを柔軟にし、切り替えを後押しした。
しかしポーランドの業者は、人件費の安いウクライナ企業に仕事を奪われたと主張し、従来の規制復活を要求。17日にはハンガリーやスロバキアなど東欧4カ国の業界団体と共同声明を発表し、抗議活動は「(われわれの)不満の表れだ」とEUに是正を迫った。
ポーランドが選挙後の新政府発足に手間取り、政治空白が生じていることも、事態の収拾を難しくしている。