- 米経済は堅調、利下げ見込むポジション縮小、アップルに続く逆風
- みずほ資産運用強化で買収積極化、旧ジャニーズや宝塚問題で聴取
米国で民間部門労働者の半数近くを雇用する中小企業では、昨年12月に支給されたボーナスの額が前年比で21%減少したことが、給与計算ソフト会社ガストのデータで明らかになりました。あらゆる業界で冷え込みが見て取れます。バイデン大統領の支持率が低迷する一因は、堅調な景気を有権者が実感しにくいこと。大統領選での再対決が予想されるトランプ氏がなぜ、岩盤支持層以外からも一定の支持を集めるのか。こうしたデータがヒントになるかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
底堅さ浮き彫り
米経済指標では堅調な数字が相次いだ。小売売上高は昨年12月に3カ月ぶりの大幅増加。ホリデー期間の消費は堅調な形で締めくくられ、2024年にかけて個人消費の底堅さが続いていたことを示唆した。同月の鉱工業生産指数は前月比0.1%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%低下だった。1月の住宅市場指数はほぼ1年ぶりの大幅な改善を示した。住宅ローン金利の低下を追い風に、購買見込み客足や販売、需要見通しが上向いた。
ポジション縮小
世界の主要な債券市場で、ついにトレーダーが中央銀行の警告に注意を向け、今年の急激な利下げを見込むポジションを縮小し始めた。かつては事実上確実だと投資家が見なしていた米国の3月利下げ開始は、いまや確率が半々に低下。米当局者は慎重に動くべきだと述べて急激な利下げ見通しを戒めたウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事の発言や、予想以上に好調で米経済の強さを示した小売売上高を受け、米国債利回りは全年限で上昇した。
アップルに逆風
米連邦高等裁判所はアップルに対し、血中酸素濃度の計測機能が付いたスマートウオッチ「Series 9」と「Ultra 2」の米国での販売停止が必要との判断を示した。同社はこの機能を巡り、医療機器メーカーのマシモと特許紛争のさなかにある。またアップルは、早ければ3月にも反トラスト法(独禁法)違反で提訴される可能性がある。米司法省が準備を進めているという。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。当局者は、アップルが「iPhone」と「iPad」にソフトウェアとハードウェアの両面で制限を課し、他社による効果的な競争を妨げているとみている。
10年で1兆ドル
みずほフィナンシャルグループは10年以内をめどに運用資産残高を現在の2倍超の1兆ドル(約147兆円)に増やす方針だ。達成に向け海外を含む運用会社との提携や合併・買収(M&A)も検討する。執行役の佐藤紀行アセットマネジメントカンパニー長がブルームバーグとのインタビューで述べた。佐藤氏は、物価上昇が続けば現金の価値は目減りすると指摘。企業や個人を「金融機関として資産形成を全力でサポートしていかないといけない」と述べた。
委託先に聴取
公的年金の国家公務員共済組合連合会(KKR)は、性加害があった旧ジャニーズ事務所や劇団員が死亡した宝塚歌劇団を巡る問題について、運用委託先に対する意見聴取を実施した。ESG(環境・社会・企業統治)推進の一環で、人権などの分野における運用会社の問題意識を把握する狙いがある。KKRの運用資産残高は2023年9月末時点で約9兆円。地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団と併せて「3共済」と呼ばれ、国内の代表的な公的年金として知られる。
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