- 米GDPは強さ示す、アップルがEU向けに全面見直し、ECB総裁
- AIで当局調査、「第2次バイデン政権」はトランプ減税一部延長へ
2023年10-12月(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP)速報値は、市場の予想以上に強い伸びとなりました。11日に発表された12月の米消費者物価指数(CPI)統計や16日のウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事の発言を受けて、市場では3月に利下げが実施されるとの見方が既に後退していますが、今回のGDPを受けて3月利下げの可能性は一段と低下したかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
強さ示す
昨年10-12月期の米実質GDP速報値は前期比年率3.3%増と、市場予想(2%増)を上回る伸びとなった。インフレの落ち着きを受けて、個人消費が2.8%増と堅調を維持した。米金融当局が重視するインフレ指標である食品とエネルギーを除いたPCEコア価格指数の伸びは2四半期連続で当局の目標である2%に一致した。23年通年のGDPは2.5%増。リセッションを見込む声が多かったものの、予想外の強さを示した。
全面見直し
米アップルは、欧州連合(EU)域内において基本ソフト(OS)「iOS」と、ウェブブラウザー「サファリ」、アプリストア「アップストア」を全面的に見直す。EUが導入したデジタル市場法(DMA)に直接対応したもので、抜本的な見直しは「iOS 17.4」の一環として3月に実施される。これにより顧客は初めてアップストア外からソフトウエアをダウンロードできるようになる。アップストアの閉鎖的な設計は、セキュリティー確保や収入押し上げを目的とした技術の柱だった。
見解変わらず
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、夏以降に利下げがあり得るとの自身の考えをあらためて示した。市場はこれを、早期利下げがかなりの確率であり得る兆しだと受け取った。年半ばごろからの利下げ開始を明言はしなかったものの肯定したことで、短期金融市場では引き下げ予想が強まり、4月の利下げは確率90%と織り込まれた。ECBはこの日、3会合連続で政策金利を据え置き、利下げはまだ先になることを示唆する文言を維持した。
AI提携巡り調査
アルファベット、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトは人工知能(AI)スタートアップのアンスロピックやオープンAIへの投資や提携に関する情報の提供を米連邦取引委員会(FTC)に求められた。FTCは有望なAIスタートアップの多くが資金調達やインフラ整備の面で巨大ハイテク企業に大きく依存している状況を懸念。AIの発展が競争環境にどのような影響を与えているかについて情報を収集するため、各社に文書を送った。FTCのカーン委員長は、AI企業は「イノベーションの主張を法律違反の隠れみのにしてはならない」と警告した。
一部延長へ
第2次バイデン政権が発足すれば年間所得40万ドル(約5900万円)未満の個人を対象にトランプ前大統領が発効させた減税が維持されるだろうと、イエレン米財務長官が述べた。トランプ前大統領が2017年に成立させた減税策の一部は2025年に期限切れとなる。「大統領は税の公平性に明確な重点を置いている」とイエレン氏。「富裕層を対象とした新たな減税措置を交渉する考えはない」と言明した。
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