• バイデン氏に重圧、アマゾン買収断念、中国恒大の債権回収の行方
  • トランプ氏に資金枯渇のリスク、米財務省の四半期定例入札

昨年7-9月期はクラウド事業の好不調が明暗を分けたマイクロソフトアルファベット。30日発表の10-12月決算では「人工知能(AI)への巨額投資が実を結んでいるという目に見える成果を示すよう、両社には圧力がかかっている」とシノバス・トラストのシニア・ポートフォリオマネジャー、ダニエル・モーガン氏は指摘しています。AIブームに本格的に火がついて1年。AI活用で事業の伸びしろをどこまで示せるのか。「株価の評価基準になる明確な数字」(モーガン氏)が求められそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

バイデン氏に重圧

イランが支援する武装グループがヨルダンの米軍拠点を攻撃して米兵3人が死亡したことを受け、バイデン大統領にはイランに直接対応するよう求める圧力が強まっている。バイデン氏にとっての課題は、原油価格の上昇や、中東での紛争、とりわけイランとの直接対決に引きずり込まれることなしにどのように報復するかだ。原油価格の上昇はガソリン価格を押し上げ、米国市民の懐を痛める公算が大きい。選挙の年でもあり、これは政治的に慎重を期すべき問題になる。

買収断念

米アマゾン・ドット・コムは、ロボット掃除機「ルンバ」を製造するアイロボットを14億ドル(約2070億円)で買収する計画を断念した。買収計画には欧州連合(EU)競争当局が阻止する構えを見せていた。競争を阻害しないと証明しなければならないという強い圧力にアマゾンが直面していることを浮き彫りにする。関係者によると、アマゾンは先週、米連邦取引委員会(FTC)の反トラスト法担当幹部と面会。同幹部らはアマゾンに対し、アイロボット買収を巡る提訴の可能性に言及したという。

試金石に

香港高裁による中国恒大集団への清算命令は、中国不動産ブームの顛末を象徴する同社の転落を決定づけた。世界の投資家にとって、債権回収の行方は中国恒大の枠を超えてはるかに大きな意味を持つだろう。外国人投資家にとって不利な結果となれば、中国への深刻な悲観論をさらに悪化させるだけでなく、中国企業にとって不可欠な資金調達拠点である香港の役割も損なわれかねない。「香港の司法判断が中国本土で実際に執行されるかどうか、重要な前例となるかもしれない」との指摘が出ている。

資金枯渇も

返り咲きを目指すトランプ前米大統領がニューヨーク州における訴訟で巨額の支払いリスクに直面している。手元資金のほとんどが底を突く状況に陥りかねず、自身のイメージを経済的な成功や富に結びつけているトランプ氏にとって、打撃となる可能性がある。1週間足らずで最悪のシナリオである総額4億5000万ドル余りの支払いを命じられれば、トランプ氏の推定純資産の15%近くが吹き飛ぶ計算だ。トランプ陣営の財政は盤石だが、これら司法判断に選挙資金を充てることはできない。

中期債の発行増額か

米財務省は31日に公表する四半期定例入札で、中長期債の発行額を再度引き上げるが、現在のサイクルでの規模拡大は今回で最後になる。市場関係者の間ではこうした見方が優勢だ。同省は拡大する財政赤字の穴埋めのため、このところ入札規模を着実に引き上げてきた。発行規模は計1210億ドル(約17兆8700億円)と予想されており、コロナ禍に記録した過去最大額に近づく。3年債と10年債は20億ドルずつ、30年債は10億ドル増額の見通しだ。

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