▽岸田首相の政倫審「サプライズ」出席、野党「自ら捨て石に」…与党は信頼回復に期待<読売新聞オンライン>2024/02/29 11:15
首相官邸に入る岸田首相(28日午前)=川口正峰撮影
岸田首相(自民党総裁)が自民派閥の政治資金規正法違反事件を受けた衆院政治倫理審査会に出席を決めたことで、安倍、二階両派の5人も報道関係者に公開する形式で出席せざるを得ない状況となり、開催を巡る与野党協議の行き詰まりは解消された。与党からは政治の信頼回復に期待する声が上がり、野党からは疑惑について説明するよう求める意見が出た。
[深層NEWS]岸田首相の政倫審出席、自民・牧原氏「誰も予想しない決断が『公開』という決着に」
塩谷氏「首相の出席は大変重たいものだ」
自民の渡海政調会長は28日、国会内で記者団に「政治不信の解消に少しでもつながれば、政治が前に進む。良い方向に進んでほしい」と述べ、首相の政倫審出席を評価した。公明党の高木政調会長は記者団に「説明責任を果たしていただきたい」と述べた。
政倫審には安倍派の塩谷立・元文部科学相、松野博一・前官房長官、西村康稔・前経済産業相、高木毅・前国会対策委員長と、二階派の武田良太・元総務相が出席を申し出ていたが、審査の公開のあり方で与野党が折り合わず、混乱が続いていた。塩谷氏は28日、記者団に「首相の出席は大変重たいものだ」と語り、報道関係者に公開する形式で出席する意向を表明した。
立民の安住国対委員長「一瞬驚いた」
立憲民主党の安住淳国対委員長は28日、国会内で記者団に、「一瞬驚いた。 膠着 した事態を打開したいと自ら捨て石になったということだと思う」と指摘した。
国民民主党の玉木代表は同日の党会合で「なぜ裏金が作られるようになったのか、国民が納得する形で説明することが大切だ。首相が政倫審に出たからといって問題が解決するわけではない」として、引き続き説明責任を果たすよう求めていく考えを強調した。
首相の発言要旨
与野党の駆け引きの中で衆院政治倫理審査会開催の見通しが立たないことは極めて残念だ。(議員の)出席についてや、公開か非公開かという形式については議員の意思が尊重されるという国会のルールのもと開催されるものだと述べてきたが、今の状況のままでは国民の政治に対する信頼を損ねる。強い危機感を感じている。自民党総裁として、政倫審に自ら出席し、マスコミオープンのもとで説明責任を果たす。政治の信頼回復に向け、志のある議員に政倫審をはじめ、あらゆる場で説明責任を果たしてもらうことを期待している。
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