▽森元首相の関与、還流の継続判断…… 問われる下村氏の発言<朝日新聞デジタル>2024年3月5日 5時00分

森岡航平

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 かつて自民党安倍派の幹部だった下村博文・元文部科学相が、衆院政治倫理審査会に出席する意欲を示した。現幹部の「5人衆」とは距離があり、同派のオーナー的存在の森喜朗元首相とも疎遠。出席が決まれば、実態解明へのキーパーソンになるとみられる。(森岡航平)

還流廃止めぐり二転三転

 還流をめぐっては、会長だった安倍晋三元首相が2022年4月上旬の幹部会合で廃止を打ち出したが、安倍氏の死去後の同年8月上旬、廃止方針の見直しをめぐり、幹部が協議したことが分かっている。方針は覆り、22年のパーティー分では還流を実施。1日の政倫審での高木毅国会対策委員長の証言によれば、22年暮れごろの幹部会合で23年分の還流廃止が決まったという。

 下村氏は22年4月、同年8月、同年暮れごろ、それぞれの幹部協議に参加していたとされる。このため、幹部たちが違法性を認識した時期、還流の廃止をめぐって二転三転した経緯など、安倍派幹部4人の証言で明らかにならなかった核心部分を知りうるとみられ、注目が集まっている。

 下村氏が政倫審に出席する場…

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▽茂木氏らの資金移動に「脱法」指摘 首相「疑念あるというなら…」<朝日新聞デジタル>2024年3月4日 20時30分

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 自民党茂木敏充幹事長の関係政治団体から、住所と電話番号、会計責任者が同じ別の政治団体に、2022年までの10年で約3億2千万円が移されていたことがわかった。資金が移った団体は国会議員の関係政治団体ではないため金の使途の公開ルールが甘く、使途の大半がわからない形になっていた。資金移動先での、人件費を除く支出のうち使途がわかる割合は10年間で7・1%と、移動元より大幅に低かった。

 4日の参院予算委員会立憲民主党蓮舫氏が問題視し、政府に対応を求めた。

 茂木氏は、自身の関係政治団体として総務省に届け出ている資金管理団体「茂木敏充政策研究会」から、関係団体ではない「茂木敏充後援会総連合会」に毎年3千万円ほどを寄付していた。茂木氏が会長の「平成研究会(茂木派)」の事務総長、新藤義孝経済再生担当相も、自身が代表を務める「自由民主党埼玉県第2選挙区支部」から関係団体ではない「新藤義孝後援会」に10年で総額約2億5千万円を寄付。両氏とも、公開されているうち最新の22年の政治資金収支報告書に記された住所や会計責任者は同じだった。

 国会議員関係政治団体は原則、「1件1万円超」の経常経費と政治活動費を収支報告書に明細まで記載しなければならない。一方、「その他の政治団体」は、経常経費の明細の記載は不要で、政治活動費も「1件5万円以上」と基準が緩い。関係政治団体は監査が必要だが、それ以外の団体では不要となっている。

 朝日新聞は、自民の主要5派閥の代表と事務総長、主要野党の党首について同様の資金移動がないか、13~22年の収支報告書で調べた。住所などが同一の「その他の政治団体」への資金移動が毎年あり、移動先の収入の大半がこの資金でまかなわれるケースは茂木、新藤両氏だけだった。

 茂木氏の事務所は取材に「政…

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