フランス上下両院、中絶権利保障の憲法明記を決議 世界で初めて

[ベルサイユ(パリ) 4日 ロイター] – フランス議会上下両院は4日、女性が人工妊娠中絶を選択できる自由の保障を憲法に明記することを圧倒的多数で決議した。中絶の権利が憲法に明記されるのは世界で初めて。

パリ郊外のベルサイユ宮殿で開催された上下両院の特別合同会議では、決議案に賛成が780票、反対は72票となった。

フランスでは1974年に中絶が合法化され、現在でも米国をはじめとした多くの国よりも支持者は多い。各種世論調査によると、国民の約8割は中絶を合法とすることに賛成と答えている。

しかし2022年に米連邦最高裁が中絶を合法としていた過去の判決を覆したことで、フランスで女性の権利保護を主張する団体などが、改めて中絶の権利を憲法に明記するよう訴えていた。

一方で極右勢力やカトリック教会などは、こうした決議に反発している。