[ワシントン 7日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、上院銀行委員会の公聴会で行った証言で、FRBが利下げに着手するために必要なインフレ低下に対する確信は「そう遠くない」将来に得られるとの考えを示した。
パウエル氏は「われわれは正しい位置にいる。インフレ率が持続的に(目標とする)2%に向かっていると確信が得られるのを待っている」とし、「その確信が得られるまでそう遠くないが、確信が得られれば、景気後退(リセッション)を引き起こさないよう、制約的な政策の水準を引き下げ始めるのが適切になる」と述べた。
パウエル氏はこれまでも、インフレとの戦いが終わったと宣言することに消極的。前日の下院院金融サービス委員会での議会証言に続きこの日の証言でも、インフレ率がFRBが目標とする2%に向けてさらに前進しているかは確実ではないと、慎重な姿勢を示した。
FRBが物価の指標として注目する個人消費支出(PCE)価格指数の1月の前年同月比での伸び率は2.4%。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数の伸びは2.8%だった。 もっと見る
ただパウエル氏はこの日の議会証言で、双方とも「昨年半ば以降、急速に低下している」と指摘。「まだ道半ばだが、かなり前進している」と語った。
公聴会の冒頭、上院銀行委のシェロッド・ブラウン委員長(オハイオ州選出、民主党)がパウエル氏に対し、FRBはなぜ失業を防ぐために利下げを急がないのか質問。
これに対しパウエル氏は「そうしたリスクは十分に認識しており、回避することを強く意識している」とした上で、「力強い成長の継続、堅調な労働市場、インフレ抑制の進展といったわれわれが期待し、目にしている道筋に沿って経済が発展すれば、制約的な政策を慎重に解除していくプロセスを年内に開始することができ、開始することになると考えている」と語った。
パウエル議長は前日、下院金融サービス委員会の公聴会で証言。「米経済がリセッション(景気後退)に陥っている、または何らかの短期的なリセッション陥るリスクがあると考える根拠はない」とし、「経済が予想通り大幅に進展すれば、今年のある時点で政策抑制の縮小を開始するのが適切な可能性が高い」と述べた。 もっと見る
次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は3月19─20日。FRBは新たな経済・金融見通しを発表する。