David Shepardson

米下院、TikTok規制法案を可決 上院での行方は不透明

[ワシントン 13日 ロイター] – 米下院は13日、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の親会社である中国の字節跳動(バイトダンス)に約半年以内に同アプリの米国事業売却を求め、従わなければアプリの利用を禁止する法案を圧倒的多数で可決した。

法案は超党派の支持を得て賛成352、反対65で可決された。上院では別の方法での規制を望む声もあるため可決されるかは不透明だが、バイデン大統領は先週、可決されれば署名する方針を表明。ホワイトハウスのジャンピエール報道官は「上院の迅速な行動を望んでいる」と述べた。

TikTok運営会社の周受資最高経営責任者(CEO)は13日に投稿した動画で、「(法案成立は)米国でのTikTok禁止につながり、クリエイターや中小企業から数十億ドルが奪われることになる。30万人の米国人の雇用が危ぶまれることになる」と指摘。

同社は「戦うことを止めない」とし、TikTok禁止を阻止するために法的権利を行使すると表明した。

関係筋によると、周氏は13日、以前から予定されていた出張で連邦議会を訪れた。

サリバン大統領補佐官は、TikTokの利用禁止ではなく、中国勢の所有を終わらせることが法案の狙いだと説明している。

米国では1億7000万人がTikTokを利用しているとされる。

米議員らの事務所には、この法案に反対する10代のTikTokユーザーから大量の電話がかかってきたという。

中国外務省は13日、法案を批判。「米国はTikTokが国家安全保障に脅威を与えているという証拠を発見していないのに、TikTokへの追及を止めていない」と述べた。

下院採決では、クラーク院内幹事、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員をはじめ、司法、歳入、運輸、情報の各委員会の民主党トップなど多くの民主党有力議員が反対票を投じた。

オカシオ=コルテス議員は「独占禁止法とプライバシーに関する深刻な疑問があり、国家安全保障上の懸念があれば、採決の前に国民に説明されるべきだ」と述べた。