Mark Gurman

  • 自動運転車の開発に続き、多額のコストがかかる計画を打ち切り
  • ディスプレー担当チームを再編、人員削減も-関係者

米アップルは、スマートウォッチ用ディスプレーを独自に設計・開発する長期プロジェクトを終了する。同社では、多額のコストがかかる研究開発に終止符を打つ動きが相次いでいる。

  事情に詳しい複数の関係者によると、アップル社内では過去数週間、マイクロLEDと呼ばれる技術を使ったディスプレーを内製する取り組みが止まっている。より明るく鮮やかな画面を特徴とする同ディスプレーはまず「Apple Watch」への搭載を目指し、その後は他の端末でも利用する計画だった。

Apple Opens New Store in South Korea
マイクロLEDを使ったディスプレーは「Apple Watch」に搭載予定だったPhotographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

  しかし、この取り組みにかかるコストと複雑さは、最終的にあまりにも負担が大きいことが判明。そのためアップルは現在、ディスプレー・エンジニアリングを担当するチームを再編し、米国とアジアで数十の職務を廃止しているという。内部情報であることを理由に同関係者は匿名で語った。

   同社は最近、自動運転車の開発中止も決定したばかり。どちらのケースでも、影響を受ける従業員の一部には社内で別の仕事を見つける機会が与えてられいる。新しい仕事が見つからなければ解雇となり、退職金が支給される。アップルの広報担当はコメントを差し控えた。

アップル、EV開発計画を白紙に-10年がかりのプロジェクト断念 

  このディスプレー内製化プロジェクトは、アップルがより多くの技術を自社で設計するという広範な取り組みの一環だった。同社はすでに自社製品用にディスプレーをカスタマイズしているが、設計面は韓国のLGディスプレイサムスンSDIなどパートナー企業に大きく依存している。そのプロセスをより内製化することで、競合他社に対する優位性を獲得する狙いがあった。

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原題:Apple Scraps In-House Effort to Make Watch Displays, Cuts Jobs(抜粋)