▽イスラエル、ラファ侵攻「単独でも実施」 米「孤立化」警告<ロイター日本語版>2024年3月23日午前 3:17 GMT+9

Humeyra PamukNidal Al-Mughrabi

イスラエル、ラファ侵攻「単独でも実施」 米「孤立化」警告

[テルアビブ 22日 ロイター] – イスラエルのネタニヤフ首相は22日、米国のブリンケン国務長官に対し、イスラエルはイスラム組織ハマスとの戦いを単独で続ける用意があると伝えた。

ブリンケン長官はパレスチナ自治区ガザでの戦闘停止などを目指し、中東を歴訪中。この日はイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と一対一で会談した。

ネタニヤフ氏はハマスとの戦いにおける米国の支援に謝意を表明すると同時に、100万人を超える民間人が避難しているガザ地区最南部ラファに対する攻撃の計画を改めて表明。

記者団に対し公表したビデオ声明で「ラファに侵攻し(ハマスの)残りの大隊を排除しない限り、ハマスに勝つ方法はない。米国の支援を受けてこれを実行することを望むが、そうならない場合、イスラエルは単独で実行するとブリンケン長官に伝えた」と述べた。

これについてブリンケン長官は、ハマスの打倒と長期的な安全保障というイスラエルの目標を米国は共有しているとしながらも、「ラファでの大規模な地上作戦はそのための手段ではない」と指摘。ラファへの地上侵攻で「民間人の犠牲が増え、人道支援が一段と混乱する恐れがある。イスラエルが世界でさらに孤立し、長期的な安全保障が損なわれるリスクがある」と語った。

その上で「包括的な人道、軍事、政治的な計画によって目標を達成する最善策について、イスラエルに詳細な提案を行うことができる」と述べ、イスラエルと対話を継続する姿勢を表明。ガザ地区への人道支援を急速に拡大させる必要性についてイスラエル政府当局者と協議したとし、「ここ数日で状況改善に向けた前向きな措置が取られたが、まだ十分ではない」と述べた。