- 約34年ぶり154円台、米小売売上高が予想上回る、ゴールドマン増益
- イスラエルに欧米が自制促す、テスラが従業員の10%以上削減へ
円相場がついに154円台に下落。米東部時間15日午前8時半(日本時間午後9時半)に米小売売上高が発表される直前に、円は対ドルで153円97銭まで下げていました。同指標が市場予想を上回る伸びを示すと、一気にその水準を抜け、およそ34年ぶりに154円台を付けました。米国では今月発表された統計だけを取っても、製造業に雇用、物価、個人消費と次々と予想を上回る強い数字が示されています。米国が利下げを急ぐ必要はないとの見方が強まる中で下げ続ける円。日本当局はどう出るのか、警戒感もますます高まります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
154円45銭
15日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は一時0.8%安の1ドル=154円45銭と、1990年6月28日以来の安値を付けた。ニューヨーク時間朝方に発表された米小売売上高が市場予想を上回ったほか、前月分も上方修正されたことに反応した。米国債は全ての年限で利回りが今年最高の水準に達した。イランとイスラエルの対決激化は当面回避されるとの期待も、米国債への逃避買いの巻き戻しにつながった。
予想上回る伸び
3月の米小売売上高は前月比0.7%増と市場予想(0.4%増)を上回る伸びとなった。前月分は0.9%増と、速報値(0.6%増)から上方修正された。底堅い消費需要が、驚くほど力強い経済成長を支え続けていることが示された。3月は13項目のうち8項目で増加。特に無店舗小売りが大きく伸び、ガソリンスタンドも大幅に増えた。食料品店は0.5%増と、昨年8月以来の大きな伸びとなった。
アナリスト予想を覆す
ゴールドマン・サックス・グループの1-3月(第1四半期)利益は予想を上回った。純利益は前年同期比28%増。アナリストは減益を見込んでいた。トレーディング好調とディールメーキング復活が寄与した。債券トレーディング収入は43億2000万ドルに増加。アナリストの減少予想を覆した。株式トレーディング収入も33億1000万ドルと予想を上回った。投資銀行業務の収入は20億8000万ドル。アナリストの平均予想は18億2000万ドルだった。
自制を
イランが仕掛けた攻撃への対応で、欧米の当局者が相次ぎイスラエルに自制を促した。軍事衝突の拡大を抑えようと各国が動いている。フランスのマクロン大統領は、中東情勢の悪化をイスラエルは回避しなければならないと主張。中国を訪問中のショルツ独首相も同様の発言で足並みをそろえた。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官によれば、バイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に対し、「これはイスラエルが誇れる大きな成功で、イスラエルは孤立しておらず優れた軍事能力があると伝えた」。
人員削減、幹部2人退社
米電気自動車(EV)メーカー、テスラは世界の従業員の10%以上を削減する。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が従業員宛ての社内メールで明らかにした。同社はEV需要の減速に直面している。マスク氏は職務の重複とコスト削減の必要性を人員削減の理由に挙げた。また、事情に詳しい複数の関係者によると、幹部2人が退社した。4人しかいない同社執行役員の1人であるドルー・バグリノ上級副社長と、公共政策・ビジネス開発担当副社長のローハン・パテル氏だという。
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