Josh Wingrove
- バイデン氏が激戦州のペンシルベニアで鉄鋼労働者ら向けに演説した
- 中国産の鉄鋼・アルミニウムに課す制裁関税の引き上げにも言及
バイデン米大統領は17日、ペンシルベニア州ピッツバーグの全米鉄鋼労働組合(USW)本部で演説し、日本製鉄が買収で合意した鉄鋼大手USスチールについて、米国内での所有を維持すると明言した。中国産の鉄鋼・アルミニウムに対する制裁関税引き上げにも言及した。
バイデン氏は「USスチールは1世紀余りにわたり象徴的な米国企業であり続けた。そして今後も米国で所有され、米国の組合の鉄鋼労働者によって運営される世界最高の完全な米国企業であり続けるべきだ。それは実現するだろう。約束する」と語った。
バイデン氏は前日から3日間の日程で大統領選の激戦州であるペンシルベニア州での遊説を開始し、この日は鉄鋼労働者にアピールした。USWは日本製鉄によるUSスチール買収に強く反対し、バイデン氏も先月から反対のトーンを強めていた。
バイデン氏は演説に先立ち、「USスチールを米国に残そう!」と叫んだ鉄鋼労働者の1人に対し、「保証する」と応じた。USWはバイデン氏を支持してきたが、トランプ前大統領を支持する一般組合員も存在する。
17日の米株式市場でUSスチールは2.9%安で通常取引を終えた。
バイデン大統領は「われわれは外国製品を輸入して米国の雇用を輸出するのでなく、米国製品を輸出して米国の雇用を創出する」と発言した。中国からの鉄鋼・アルミ輸入のうち、現在の関税率が0%ないし7.5%の製品について、25%への引き上げをバイデン氏は求めている。
最終的な決定はタイ米通商代表部(USTR)代表に委ねられ、現在進められている301条関税の見直し完了後になると事情に詳しい当局者1人が匿名を条件に記者団に語った。バイデン政権は近いうちに結果が出ると期待しているという。
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原題:US Steel ‘Guaranteed’ to Stay US-Owned, Biden Tells Steelworkers、Biden Says ‘Guaranteed’ He’ll Keep US Steel Domestic(抜粋)