Janet Lorin
- 大学にイスラエル系企業との関係断絶、政府には軍事援助停止を要求
- 言論と秩序、大学は綱渡り－学生側には警察突入とテント排除の懸念
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争をめぐる学生運動が米名門ハーバード大学で激化、コロンビア大学やエール大学、ニューヨーク大学（ＮＹＵ）などと同様、キャンパスに動揺が広がっている。
ハーバード大学の学生新聞「クリムゾン」によると、学生ら数百人が24日、パレスチナ連帯委員会の活動停止に抗議する集会を開いた。学生らは寮からキャンパスにあふれ出し、声援が上がるなかテントを設営する者もいた。
抗議デモはミシガン大学やカリフォルニア大学バークレー校にも及び、各校にイスラエル系企業との金銭的関係断絶を求め、米政府には軍事援助の打ち切りを訴えている。大学当局は言論の自由と秩序の間で難しい綱渡りを試みており、学生の逮捕や抗議活動の野営地解体に至った大学もある。
一方で全米の注目を集めたコロンビア大学では大学側と学生の話し合いで「著しい進展」があったとして、深夜に設定されていた交渉妥結期限が２日間延長された。学生新聞が24日朝、学校側の声明に基づいて報じた。同校では先週、100人以上が逮捕されており、大学が警察を呼び入れてテントを撤去するとの心配が広がっていた。
アイビーリーグの一つである同大学は、イスラエルとハマスの戦争をめぐるキャンパス内の分断と混乱を象徴するものとなった。ニューヨーク州のホークル知事は22日早朝、大学首脳部と警察、学生団体と面会し、キャンパスの安全と表現の自由とのバランスについて話し合った。
混乱への対応を迫られているのはコロンビア大学だけではない
エール大学では22日に学生47人を含む60人が逮捕された。ピーター・サロベイ学長は「抗議の現場やその付近で、個人に対する有害な行為や脅迫的な言動があったという警察の報告」を指摘した。
ニューヨーク市ではＮＹＵの学生約350人がワシントン・スクエア・パークに集まり、イスラエルの戦争と抗議行動への大学の対応に抗議した。ＮＹＵの経営大学院近くでは今週、野営していた100人以上が逮捕された。
抗議の現場近くでは、パレスチナの旗や伝統模様のスカーフ「ケフィエ」を販売する人も現れた。
米名門大学でデモ拡大、コロンビア大とエール大の厳しい対応で拍車米コロンビア大学、オンライン授業に移行－イスラエル抗議デモ激化
原題：Harvard Protests Escalate as Tensions Spread Over Israel-Hamas（抜粋）
