- FOMC会合、円が一時153円台に急騰、米経済指標
- 米四半期定例入札の詳細、FRBの独立性を憂慮
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見で、「スタグ(停滞)」も「フレーション(インフレ)」も想定していないと話し、笑いを誘いました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明はインフレを再び警戒する姿勢を示しましたが、利上げには言及せず。予想されたほどタカ派的ではないとの見方から、この日の米国債市場では買いが優勢になりました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
再び懸念
FOMCはインフレについて再び懸念していることを示唆し、利下げを開始するには物価上昇ペースが鈍化していることを示すさらなる証拠が必要だと改めて指摘した。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5.25-5.5%で維持。金利据え置きは6会合連続で、決定は全会一致だった。パウエル議長は次の動きが利上げになる可能性は低いと指摘した。FOMCは保有資産ポートフォリオの縮小ペースを減速させる計画の概要も提示。米国債のランオフ(償還に伴う保有証券減少)のペースは現在、月間最大600億ドル相当だが、この上限を6月から250億ドルに減らす。
円急騰
1日夕方のニューヨーク外国為替市場で円相場は対ドルで上昇し、ニューヨーク時間午後4時以降には1ドル=157円台半ばから153円台まで急速に買い進まれた。日本の通貨当局が円買い介入を実施している可能性があるとの観測が浮上している。財務省の神田真人財務官は4月30日、介入の有無についてコメントを避けた上で「過度な変動が投機で発生すると国民生活に悪影響」だと発言。24時間体制で対応すると述べた。
米経済指標
ADPリサーチ・インスティテュートによると、4月の米民間雇用者数は19万2000人増と、予想を上回った。前月は上方修正された。特に娯楽・ホスピタリティーや建設業で雇用が大きく増えたが、情報産業では雇用が減少した。一方、賃金上昇率は鈍化した。米国の求人件数は3月に減少し、3年ぶりの低水準となった。米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数は需要減退が響いて低下し、再び縮小圏に転じた。一方で仕入れ価格は2022年にインフレがピークに達して以降で最も高い水準となった。
規模を維持
米財務省は四半期定例入札における中長期債の発行規模を前四半期から据え置いた。市場でも広く据え置きが予想されていた。「少なくとも向こう数四半期」は通常の中長期債の発行を増やす必要はないと想定していると説明した。約20年ぶりとなる発行済み証券の買い戻しプログラムを5月に開始することも明らかにした。
FRBの独立性
イエレン米財務長官は、米国の民主主義制度が脅かされれば、米国および世界の経済成長と金融安定を損なうと警鐘を鳴らした。3日にアリゾナ州セドナで行う講演原稿の抜粋を財務省が1日公表した。イエレン氏はその中で、FRBの「独立性と透明性」が米経済の健全性にとって極めて重要だと強調。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先月、大統領がFRBにより直接的な影響を与えることができる案をトランプ陣営の関係者らが策定したと報じた。
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