Liz Capo McCormick、Ye Xie

  • 15日発表の米CPIが試金石に、今年これまでは市場予想上回る伸び
  • 10年債利回りが今年60bp以上上昇した日、半数はCPIの発表日
The U.S. Department of the Treasury, with the Washington Monument in the background, stands in Washington, D.C., U.S.
The U.S. Department of the Treasury, with the Washington Monument in the background, stands in Washington, D.C., U.S. Photographer: Andrew Harrer

米国債相場の方向を決める材料として、月々のインフレ指標に勝るものはない。今週もまた例外ではないだろう。

  15日に発表される4月の米消費者物価指数(CPI)は、今月に入って始まった米国債上昇にとり最大の試金石となる。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内利下げの期待を残した上に、米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが減速したことを受け、利回りは4月のピーク時から急低下している。

  CPI統計は米国債相場の上昇が続くのか、流れを反転させるのかを左右する可能性がある。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらは、同統計の発表まで相場は保ち合いになるとの見方を示した。

  今年これまでに発表されたCPIは市場予想を上回る伸びで、米金融当局によるインフレとの闘いが行き詰まっているとの懸念を強めた。

  米国債相場は今年、CPI発表後に下げが加速する展開をたどってきた。3月分が発表された4月10日には、10年債利回りが18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。CPI発表を受けた1日の動きとしては2002年以降の最大を記録した。今年これまでに10年債利回りが60bp以上上昇した日の半数は、CPIの発表日だった。

  ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルの米金利デスク戦略責任者ジョナサン・コーン氏は「データ発表のたびに揺れ動くというのが、今の相場の現実だ」と指摘。「ある種の経済的軟化が起きているように思えるが、実際のところ今の上昇相場が持続するには、物価が再加速しておらず、ディスインフレが進行しているという兆しがCPIデータで示されることが必要だ」と述べた。

米コアCPIは半年ぶりに鈍化か、FRBの懸念和らげるには不十分

原題:Bond Traders Wait for CPI to Fuel — or Doom — the Market’s Rally(抜粋)