• パウエル氏「忍耐強くあるべきだ」と発言、米PPIは予想上回る
  • 米が対中関税大幅引き上げ、ソニーとパラマウント、オラクル株急伸
General Motors assembly plant in Fort Wayne, Indiana, US,
General Motors assembly plant in Fort Wayne, Indiana, US, Photographer: Emily Elconin/Bloomberg

「過熱とは言わない」-米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は訪問先のオランダで、先に発表された生産者物価指数(PPI)について述べました。前月数値の下方修正を挙げています。金融市場も統計発表直後には円安・ドル高、米国債下落、株安の方向に動きましたが、ほどなくこの動きは後退。関心は明日の消費者物価指数(CPI)と小売売上高に移ったもようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

長期維持

FRBのパウエル議長は高金利がインフレを抑制していることを示すさらなる証拠を待ち、米金融当局は忍耐強くあるべきだとの見解を示した。アムステルダムで行われたイベントで、金融政策がインフレ率を当局目標の2%に戻すのに十分に景気抑制的かどうかは時間がたたないと分からないと指摘。「恐らく、より長期にわたってそのスタンスを維持するということだと考える」と付け加えた。「われわれは忍耐強くあるべきで、景気抑制的な政策がその効果を発揮するのを待つ必要があることが分かった」と述べた。

予想上回る

4月の米PPIは前月比で0.5%上昇し、伸びは市場予想を上回った。3月の数値は前月比、前年同月比ともに下方修正された。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアPPIは前月比で0.5%、前年同月比では2.4%上昇。いずれも市場予想を上回った。ただ、米金融当局が重視する個人消費支出(PCE)価格指数の算出に用いられる主要カテゴリーは比較的落ち着きを示した。キャピタル・エコノミクスのポール・アシュワース氏は「強弱入り交じっているが、バランス的には前向きな内容だった」と分析した。

「ずる賢い」

バイデン米大統領は中国からの輸入品に対する大幅な関税引き上げを発表した。半導体チップやバッテリー、太陽電池、重要鉱物などのほか、一部の鉄鋼やアルミニウム、電気自動車(EV)、港湾クレーン、医療用品の関税率も引き上げる。現時点で年間180億ドル(約2兆8200億円)相当の輸入品に影響が見込まれる。「中国の戦術は競争を否定するずる賢い行為だ」とバイデン大統領はホワイトハウスで述べた。中国は直ちに強く反発し、「中国は自国の権利と国益を守るため断固たる措置を講じる」と表明した。

軌道修正

ソニーグループと米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントが米映画・テレビ大手パラマウント・グローバル全体を買収する案を提示する可能性は「低下しつつある」と、米経済専門局CNBCのデービッド・ファーバー記者が関係者の話として伝えた。ソニーはパラマウント買収を「再考」し始めているという。ファーバー氏によると、何らかの買収案が提示される可能性は依然として残っている。報道を受けて、パラマウントのクラスB株は大幅下落。ソニーの米国預託証券(ADR)は大幅に上昇した。

エリソン会長

米株式市場でオラクルが一時5%余り上昇した。テクノロジー情報サイトのジ・インフォメーションは、 イーロン・マスク氏の人工知能(AI)開発会社xAI(エックスエーアイ)とオラクルの間で100億ドル(約1兆5600億円)規模のクラウド契約が合意間近だと報じた。オラクルのラリー・エリソン会長は昨年9月、AIモデルの訓練のためにxAIにクラウドインフラを提供する契約を結んだと述べたが、契約の金額や期間は明らかにしなかった。

その他の注目ニュース

アマゾンのクラウドサービス部門AWS、CEO交代へ

アルトマン氏支援の米自動運転新興企業、スズキと車両製造で協業検討

1-3月期の実質GDPはマイナス転換へ、一時的な自動車減産が主因