James Attwood、Josh Wingrove、Jennifer Jacobs
- 森高弘副社長をピッツバーグに近く派遣-関係者
- USスチールの工場を視察する技術チームも派遣する
日本製鉄は労働組合幹部やバイデン政権からの厳しい反対にもかかわらず、141億ドル(約2兆1900億円)規模のUSスチール買収を実現させるため、米国の労働者や政治家への働きかけを強めている。
日本製鉄は森高弘副社長をピッツバーグに近く派遣し、現地のスタッフや議員らと会談する予定だ。この問題について説明を受けた関係者が明らかにした。
同社は労組幹部や米当局に買収のメリットを理解してもらうため、投資と雇用への取り組みをどのように強化できるかを見極めており、USスチールの工場を視察する技術チームも派遣するという。
日本製鉄は米国への幹部派遣を確認したが、詳細についてはコメントを控えた。「関係するステークホルダーとの対話を続けていく」と広報担当者は述べた。
日本製鉄はUSスチール買収で昨年12月に合意したが、全米鉄鋼労働組合(USW)とバイデン米大統領が反対し、今後の展開は不透明なままだ。今年11月の大統領選を前にバイデン氏は先月、USスチールを米資本に維持すると労組側に表明した。
日本製鉄は大統領選前に買収を完了させたいと考えているが、森副社長は今月、「やはり政治的な影響が非常に大きい」とアナリストらに述べた。USスチールは最近、日本製鉄による買収完了時期の見通しを7-12月(下期)に先送りした。
先月の臨時株主総会で日本製鉄の買収計画を承認したUSスチールは、日本製鉄の投資計画について話し合い「あらゆる誤解を正す」ため従業員との会合を開いていると資料で説明した。
USWは17日、労働義務に関する懸念が解消されたと主張することで労働者を誤った方向に導いていると日本製鉄とUSスチールを批判し、「われわれは協約を履行し、コミュニティーと国の安全を守るため闘い続ける」とコメントした。
原題:Nippon Steel Ups Effort to Woo US Steel Workers, Politicians (1)(抜粋)