Ian King
- 次の成長の波に向けて態勢を整えている-フアンCEO
- 株式分割と増配発表、株価は時間外取引で一時6.2%高
人工知能(AI)ブームの中心にある米半導体メーカー、エヌビディアは22日、5-7月(第2四半期)の売上高が280億ドル(約4兆3900億円)前後になるとの見通しを示した。市場予想を上回る強気な売上高見通しで、AIコンピューティング投資が引き続き堅調なことを示唆した。
ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平均は268億ドルだった。2-4月(第1四半期)の業績も予想を上回った。
ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は発表資料で「次の産業革命が始まった」と指摘。「AIは、ほぼ全ての産業に大幅な生産性向上をもたらし、企業のコスト効率とエネルギー効率の改善および収益機会の拡大に役立つだろう」と述べた。
好調な売上高見通しは、エヌビディアがAI投資の最大の受益者の立場にあることを裏付けた。同社が手掛けるAIアクセラレーターは、データセンターがチャットボットなどの最先端ツールを開発するのに役立つチップ。過去2年間で注目の商品となり、売上高は急増した。同社の株式時価総額も急拡大し、2兆3000億ドルを超えた。
22日の米株式市場時間外取引ではエヌビディア株は一時約6.2%上昇。市場予想を上回る業績が続くとの期待感を追い風に、株価は同日の通常取引終了時点で既に年初来92%高の水準にあった。
同社はまた、1対10の株式分割と、四半期配当を150%増の1株当たり10セントにすることも発表した。
2-4月期の売上高は260億ドルと、前年同期比3倍強に拡大。1株利益は一部項目を除いたベースで6.12ドルだった。アナリストの予想では、売上高は約247億ドル、1株利益は5.65ドルと見込まれていた。
主力のデータセンター部門の売上高は226億ドル。ゲーム用チップは26億ドルだった。アナリスト予想はデータセンター部門が210億ドル、ゲーム部門は26億ドルとなっていた。
フアンCEOは次世代チッププラットフォーム「Blackwell」が現在、フル生産体制にあると説明。何兆ものパラメーターを扱える生成AIの基礎を築くものだとし、「われわれは次の成長の波に向けて態勢を整えている」と同CEOは述べた。
原題:Nvidia Forecast Shatters Estimates as AI Boom Stays Strong (2)、
Nvidia Rises After Results and Outlook; Reveals Stock Split (1)(抜粋)