Craig Torres

  • 金融政策が十分に景気抑制的かどうかを巡り、「多く」が疑問抱く
  • 米国債ランオフのペース、「数人の」当局者は異なる案を支持
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, DC.
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, DC. Photographer: Valerie Plesch/Bloomberg

米連邦公開市場委員会(FOMC)が4月30日-5月1日に開いた会合では、政策金利をより長期に高水準で維持することが望ましいとの認識で当局者が一致した。またインフレ率を当局の目標に下げる上で金融政策が十分に景気抑制的かどうかを巡り、「多く」が疑問を抱いていた。5月22日に公表された議事要旨で明らかになった。

  議事要旨によれば、参加者は金融政策が「良い位置にある」と分析。その一方で、正当化されるなら追加引き締めにも前向きだとさまざまな当局者が言及した。

  「参加者は1-3月(第1四半期)のインフレデータが期待外れだったと指摘した」とし、「インフレ率が持続的に2%に向かいつつあるという確信を参加者が強めるには、従来想定していたより時間がかかるだろう」と記された。

  また「インフレ率が持続的に2%に向かっている兆候が示されない場合」は政策金利をより長期に維持すること、「あるいは労働市場環境が予想外に弱まった場合に景気抑制の度合いを和らげること」を議論したという。

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は1日のFOMC後、インフレ率が持続的に2%目標に向かう道筋にあるとの確信を当局が強めるまで、利下げ実施は適切ではないとの見解を記者会見で示した。

FOMC、政策金利据え置き-インフレ沈静化の進展は失速 (3)  

  議長は14日にアムステルダムで行われたイベントでも、「われわれは忍耐強くあるべきで、景気抑制的な政策がその効果を発揮するのを待つ必要があることが分かった」と述べた。

パウエル議長、米金利をより長期に高水準で維持する可能性示す (3)

  FOMC当局者は政策が総じて景気抑制的だとみているものの、高金利の効果が以前に比べて小さい可能性や、長期の中立金利が従来考えていたより高い可能性を指摘。議事要旨には「多くの参加者が景気抑制度合いの不確実さについて意見を述べた」と記された。

バランスシート

  1日に終了したFOMCでは、資産ポートフォリオの縮小ペースを6月から減速させることが決まった。米国債のランオフ(償還に伴う保有証券減少)ペースについて、月間の上限を600億ドル相当から250億ドル相当に減らす。市場では250億ドル相当でなく、300億ドル相当になるとの予想が多かった。

  議事要旨によれば、ほぼ全ての参加者が新たな上限に賛成したが、「数人の」当局者が現行ペースの継続ないし、決定された額より高い上限にすることを支持していた。

原題:Minutes Show Officials Rallying Around Higher-for-Longer Rates(抜粋)