By Gavin Jones、 Giuseppe Fonte

G7イタリア会合、ロシア凍結資産や中国の過剰生産能力を議論へ

[ローマ 22日 ロイター] – 主要7カ国(G7)は24─25日にイタリアのストレーザで財務相・中央銀行総裁会議を開催する。関係者によると、凍結されたロシア資産をウクライナ支援にどう活用するかや、主要市場における中国の輸出能力の拡大にどう対処するかについて合意を目指す。

G7の交渉担当者は約3000億ドル相当のロシアの金融資産の活用方法について、数週間にわたって協議してきた。

米国は将来見込まれる収入を債券か融資の形で、前倒ししてウクライナ支援に充てる方法を模索している。しかし多くの法的・実務的問題を解決する必要があるとして、複数の関係者は今回の会合では詳細を含む合意は期待できないとの見方を示した。

その場合は、6月13─15日に南イタリアのプーリア州で開催されるG7首脳会議に提案を示すために非公式協議が続けられる見通し。

G7がウクライナのために債券を発行するという案は立ち消えになったもようで、米国は凍結資産からの収入を担保にした融資を提案している。

融資を世銀が管理するかどうか、どのように保証するか、将来の利益をどう見積もるか、ロシアとの和平交渉が成立した場合はどうなるか、といった点は明らかになっていない。

欧州は特に慎重で、欧州連合(EU)の外交筋は「(最終決定には)数カ月とは言わないまでも、数週間はかかるだろう」と述べた。

<貿易・AIも議題に>

G7では世界貿易の見通しも主要な議題となる。米国は先週、電気自動車(EV)用バッテリーや半導体、医療製品など、中国からの輸入品に対する大幅な関税引き上げを発表した。

米国はパートナー国に対し同様の措置を取るよう求めていないが、ある当局者はG7の声明で中国の「過剰生産能力」に対し共通の懸念を表明するよう働きかける可能性が高いと述べた。

イタリア大統領府が発表した公式プログラムによると、人工知能(AI)が世界経済に与える影響や、対ロシア制裁の評価・分析なども話し合われる。

課税問題も議題に上がっており、米国などの反対により完全には実施されていない国際課税の新ルール「グローバルミニマム課税」をイタリアは取り上げたい考え。

20カ国・地域(G20)の中でブラジルやフランスが推進している富裕層への課税強化も議論される見込みだが、関係者によると米国が抵抗している。