▽米SEC、イーサ現物ETF上場を承認 年内に取引開始の可能性<ロイター日本語版>2024年5月24日午前 8:23 GMT+9
[23日 ロイター] – 米証券取引委員会(SEC)は23日、ナスダック、CBOE、ニューヨーク証券取引所(NYSE)による暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(イーサ)現物の上場投資信託(ETF)上場申請書を承認した。年内に取引が始まる可能性がある。
SECが取引所に申請書の修正を要請した20日までは承認されないと見込まれていたため、業界にとって大きなサプライズとなった。 もっと見る
暗号資産に懐疑的なことで知られるゲンスラーSEC委員長は承認に先立つ23日の業界イベントでイーサETFに関する質問にコメントを避けた。
SECの報道官も、承認発表以上のコメントは差し控えている。
Cboeグローバル・マーケッツのETP上場担当グローバル責任者、ロブ・マロッコ氏は「ビットコイン現物ETFの導入はデジタル資産とETF分野にすでに大きな恩恵をもたらしており、イーサ現物ETFも同様に米国の投資家にセーフガードを提供すると考えている」と述べた。
ナスダックとNYSEはコメントを控えた。
取引所の申請は新商品を上場するために必要な規則変更の承認をSECに求めるもの。ETF発行体が実際に取引を開始する前にはETF登録届出書をSECに承認してもらう必要がある。業界関係者によると、どれくらいの時間がかかるかは不透明だ。
ビットコイン・イーサETFの指数プロバイダーであるCFベンチマークスのスイ・チュン最高経営責任者(CEO)は、イーサはビットコインよりも複雑であり、SECの審査には数カ月かかる可能性があると述べた。
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▽イーサリアム現物ETF、米SECが承認 ブラックロックなど8銘柄<COINPOST>2024/05/24 06:15
速報:8銘柄一斉承認
米SECは24日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの現物ETFの上場申請を初めて承認した。1月のビットコインETF承認に続く業界の勝利となった。
今回、ブラックロックやフィデリティ、グレースケールなどを含む計8銘柄の19b-4フォームが全て承認された。SECは、これらのETFを「イーサリアム商品基盤の投資信託」と指定している。
コインベースの最高法務責任者Paul Grewal氏はこの点について「イーサリアムは事実上、これまでと同じようにコモディティとみなされる」とコメントしている。
一方、19b-4という取引所側の書類は承認されたものの、ETFの発行者は、取引を開始する前にS-1登録届出書を発効させる必要があり、これからSECの承認プロセスが予定されるため、正式な取引開始時期はまだ判明していない。
ブルームバーグのETF専門家James Seyffart氏は「彼らが非常に努力すれば、2、3週間以内にできると思うが、歴史的にこのプロセスに3ヶ月以上かかった例はたくさんある」とコメントしている。
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今回の承認は、アナリストたちにとってほとんど想定外のものだった。今週月曜日にSECが取引所側に書類の更新を依頼したことが大きな転機となり、月曜日までは非承認の可能性が高かった。
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一部からは今年の大統領選に向けて、イーサリアム現物ETFのSEC審査に政治的な思惑が絡んでいる観測が高く、ドナルド・トランプ氏が二週間前に行った仮想通貨業界を味方につける発言がきっかけとなったと指摘されていた。
若者有権者の支持を必死に求めているバイデン大統領および民主党は今回SECの判断に影響を与えているとの憶測が出回っている。しかし、今回の書類審査では、ゲンスラー委員長を含む委員たちの投票による承認ではなく、あくまで取引市場局による判断となった。
一方、承認の直前に、超党派の下院議員グループはSECにETFを承認するよう求めたばかり。「今年初めの委員会の行動により、委員会の基準の適用における一貫性を示すだけでなく、ビットコインETFの決定を促進した法的根拠を確認することは自然な流れであると思われる」とのレターをSECゲンスラー委員長宛に送付した。
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