By 杉山健太郎
[26日 ロイター] – 岸田文雄首相は26日、中国の李強首相と会談し、福島第1原子力発電所の処理水海洋放出を巡る事務レベル協議を加速していくことで一致するとともに、岸田首相から日本産食品の輸入規制の即時撤廃を改めて求めたことを明らかにした。
岸田首相は訪問先の韓国・ソウルで李首相と約1時間会談。その後に記者団の取材に応じ、昨年11月に習近平国家主席との間で一致した「戦略的互恵関係」のもと、「さまざまな課題や懸案について進展を図っていくことを確認した」と説明した。
さらに南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区などの状況に深刻な懸念を伝達。台湾については最近の軍事情勢を含む動向を注視していることを伝えつつ、「台湾海峡の平和と安定はわが国を含む国際社会にとって極めて重要という点を強調した」と述べた。頼清徳新総統が就任したことを受け、中国軍は23日から2日間、台湾周辺で軍事演習を行った。
岸田首相は27日、中国の李首相、韓国の尹錫悦大統領との3カ国首脳会談に臨む。日中韓首脳会談は4年半ぶり。岸田首相は26日午前にソウルへ出発する際、「胸襟を開いて率直に意見交換を行い、未来志向の実務協力で一致したい。議長である尹大統領と連携して首脳会議を成功させ、日中韓プロセスの再活性化につなげていきたい」と話していた。