▽プーチン氏、ウクライナに「最後通告」 NATO加盟撤回や4州割譲要求<ロイター日本語版>2024年6月15日午前 1:19 GMT+9

プーチン氏、ウクライナに「最後通告」 NATO加盟撤回や4州割譲要求

[モスクワ 14日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は14日、ウクライナでの戦争終結には、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)加盟に向けた野心を放棄し、同国東・南部4州をロシアに引き渡す必要があると言明した。

ウクライナの見解とは相いれない、これまでで最も詳細な条件を提示した。ロシア軍が戦闘で優位に立っているという自信を反映しているとみられる。

演説はスイスで15━16日に開催される「ウクライナ平和サミット」の前夜に行われた。同サミットにロシアは招待されていない。

プーチン大統領は「条件は非常に単純だ」と強調。ウクライナ東・南部のドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポロジエ4州からのウクライナ軍の完全撤退を挙げ、「ウクライナがこうした決定の用意があると発表し、実際に撤退を開始し、NATO加盟計画を放棄すると正式に表明すれば、われわれは直ち停戦命令を出し、交渉を開始する」と通告した。

さらに「われわれは具体的で真の和平提案を行っている」と主張。「ウクライナや西側諸国がこれまで通り拒否すれば、流血の継続に対する政治的、道義的責任は彼らにある」とけん制した。

ウクライナの非武装化や西側諸国による対ロシア制裁解除も和平合意に盛り込まれる必要があるとも述べた。

プーチン大統領の提示した条件について、ウクライナのゼレンスキー大統領は「過去のメッセージと何ら変わらない最後通告のメッセージだ」と述べた。

ポドリャク大統領府顧問はロイターに対し、「ばかげている」とし、「ウクライナに敗北を認めるよう提案している」とコメントした。

オースティン米国防長官はNATO本部で記者団に対し、「プーチン氏はウクライナに対し、平和をもたらすために何をすべきかを命じる立場にない」と言明した。

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