• 今年の住宅販売は15%減、金額ベースで10兆元下回ると予測-S&P
  • 年間販売見通しを15-20%減に修正、従来は5-10%減-フィッチ

中国の不動産市場を巡り、世界的な格付け2社がそれぞれ見通しを下方修正した。住宅価格の下落ペースが加速しており、当局による不動産セクター支援の取り組みが妨げられている。

  S&Pグローバル・レーティングは、今年の住宅販売が15%減少すると予測。従来は5%減と見込んでいた。これにより、住宅販売額は10兆元(約220兆円)を下回り、2021年ピーク時の約半分になりそうだと20日明らかにした。

  また、フィッチ・レーティングスは19日、年間販売見通しを15-20%減に修正。これまでは5-10%減少と予想していた。

  今回の見通し悪化は、最近の景気刺激策で中国経済の足かせとなっている不動産不況に終止符が打たれるという確信が乏しいことを示唆している。

  両格付け会社は予想を上回る住宅価格の下落を受け、購入を手控える動きが出ていると指摘。今週発表された5月の新築住宅価格はほぼ10年ぶりの大幅下落となる一方、中古住宅価格は少なくともここ13年で最大の落ち込みとなった。

  中国では家計資産の約78%を不動産が占めており、これは米国の2倍だ。一般的に、家計は何年も貯蓄し、友人や親族から借金して住宅を購入する。

原題:China’s Property Sales Outlook Worse Than Ratings Firms Expected(抜粋)