Craig Torres

  • 「ディスインフレの軌道に戻りつつある」、最近のデータを評価
  • 経済と労働市場は強い、「時間かけて正しい対応が可能」-パウエル氏

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、最新の経済データはインフレが再び鈍化傾向をたどっていることを示唆していると指摘。ただ、当局者らは利下げに動く前にさらに多くのデータを目にしたい考えだと付け加えた。

  パウエル議長は2日、ポルトガルのシントラで開かれた欧州中央銀行(ECB)主催のフォーラムでパネル討論会に参加。「米経済は力強く、労働市場も強いことから、われわれは時間をかけて正しく対応することが可能だ」とし、「それがわれわれの計画だ」と続けた。

Fed Chair Powell Holds News Conference Following FOMC Rate Decision
パウエルFRB議長Photographer: Al Drago/Bloomberg

  パネル討論会にはECBのラガルド総裁とブラジル中銀のカンポス・ネト総裁も出席。パウエル氏は初回利下げの時期について具体的なガイダンスの提示は避けた。

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  パウエル議長は前回のインフレ統計とその前のデータについて、「ディスインフレの軌道に戻りつつあることを示唆している」と評価。「最近見られたようなデータがさらに続くのが望ましい」と述べた。

  米国債利回りはパウエル議長の発言が始まると低下したが、その後発表された求人件数が予想外に増加したことを受けて、下げ幅を縮小した。金利スワップ市場では引き続き、今年ほぼ2回の利下げが想定されている。

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  パウエル議長は労働市場について、労働力需要と供給のバランスが改善の方向へ「大きく」動いたと指摘。雇用市場を引き続き強いと評価しつつ、適切に冷え込みつつあると述べた。

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原題:Powell Welcomes Recent Data But Fed Needs More Confidence to Cut(抜粋)