▽都知事選 現職の小池氏が3回目の当選 石丸氏 蓮舫氏らを抑える<NHK>2024年7月8日 5時20分 

過去最多の56人が立候補した東京都知事選挙は、現職の小池百合子氏(71)が3回目の当選を果たしました。【リンク】開票速報 都知事選候補者別、開票所別の開票状況はこちら

7日が投票日の東京都知事選挙は、自民党、公明党、国民民主党都連、地域政党の都民ファーストの会が自主的に支援した現職の小池氏が、広島県安芸高田市の元市長石丸伸二氏、立憲民主党、共産党、社民党が支援した元参議院議員の蓮舫氏らを抑え、3回目の当選を果たしました。

https://www3.nhk.or.jp/senkyo2/shutoken/20336/skh54664.html

小池氏「経験したことがないような選挙戦」

取材に応じた小池氏は勝因について聞かれると「2期8年都政を預かった間、コロナもあった。コロナ禍の中でも都民や医療関係者の皆さんに協力を頂き、5類への移行といったことも含め、8年間の実績を評価していただいた」と振り返りました。

今回の選挙戦については「私を含め56人が立候補という状況の中で、ポスターの掲示や、脅迫を受けたり、街頭ではやじの大合唱があったり、これまで経験したことがないような選挙戦だった。想定しなかった事態に対し、どう法的な課題の整理ができるかといった点も今回の選挙を通じて感じた」と話していました。

その上で3期目の都政運営について「物価高、円安も伴って厳しい状況だ。全体としての少子化対策、産業も大きく変わる中でDXをどう進めていくのか。世界と比べても女性活躍の環境は十分ではない。東京大改革のバージョンアップを進め、1400万人の都民の命と暮らしを守っていく」と述べました。

小池氏は兵庫県出身で71歳。民放のニュースキャスターなどを経て、1992年の参議院選挙に当時の日本新党から立候補して初当選しました。その後、衆議院議員に転じて8回連続当選し、防衛大臣などを歴任したあと、8年前・2016年の都知事選挙で初当選し、2期務めてきました。

選挙戦で小池氏は、これまでの都政運営の実績をアピールするとともに、少子化対策として都が行っている保育料無償化の対象拡大や災害対策の推進などを訴えました。

その結果、自民党や公明党、それに都民ファーストの会の支持層を固めたほか、いわゆる無党派層の支持も集めました。

石丸氏 国政選挙は?「たとえば広島1区 岸田首相の選挙区です」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240707/movie/k10014502181_202407072258_202407072331.html

広島県安芸高田市の元市長の石丸伸二氏は午後8時すぎ、東京 新宿区で支持者にあいさつし、「今回、私のチームは本当に全力を尽くせたと思う。数え切れないほどの皆さんの力を頂戴することができた。その点において胸を張って出来ることは全部やったと言い切れる。本当にありがとうございました」と述べました。そして「結果においては都民の総意が表れた。それだけです。私から何も申し上げることはありません」と述べました。

また、記者から今後の政治活動について聞かれると、「まだ決めていない」と述べました。その上で国政選挙への考えについて聞かれると、「選択肢としては当然考えます。たとえば衆議院広島1区。岸田首相の選挙区です」と述べました。

蓮舫氏「ピリオドを打てている気持ちではない」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240707/movie/k10014502181_202407072258_202407072332.html

元参議院議員の蓮舫氏は午後8時すぎ、東京 千代田区で支持者にあいさつし、「多くの方に温かいことばと応援を頂き思いを心から訴えることができた」と述べました。敗因について記者から質問されると、「子どもや若者への支援がシニアの支援につながる循環型の東京を作りたいという思いは全力で訴えたつもりだが、結果として届かなかったのは私の力不足で申し訳ない」と述べました。

また今後の政治活動については「自分の中でピリオドを打てている気持ちではない」と述べた上で、次の衆議院選挙に立候補する考えがあるか記者から聞かれると、「きょうは私の思いが届かなかった結果が出た日なので、それに対して私に何が足りないのかは少し考える時間を下さい」と述べました。

田母神氏「今後どうするかはこれからゆっくり考える」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240707/movie/k10014502181_202407072304_202407072332.html

無所属の新人で航空自衛隊の元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、午後8時すぎに東京 築地の選挙事務所で取材に応じ、「演説をしたり、若者と接したりする感じでは少し手応えがあると感じていたが、最終的にこういう結果になり、十分届いてなかったのかと思う。応援弁士の方には一生懸命に応援してもらい、もう少し頑張れるかなと思っていたが、私自身がもう少し工夫すれば良かった。今後どうするかはこれからゆっくり考える」と話していました。

投票率は60.62% 前回選挙より高く 平成以降では2番目

東京都選挙管理委員会によりますと、東京都知事選挙の投票率は60.62%で、前回・4年前の選挙より5.62ポイント高くなりました。平成以降では2番目に高くなりました。

出口調査の結果は

NHKは7日、有権者の投票行動や政治意識を探るため、出口調査を行いました。

調査は都内64の投票所で投票を終えた有権者5646人を対象に行い、62.4%にあたる3522人から回答を得ました。一方、6日までに有権者のおよそ19%が期日前投票を済ませていますが、これらの方々は調査結果に含まれていません。

【支持政党別では】
小池さんは▼自民党の支持層の60%台半ば、▼日本維新の会の支持層の40%台半ば、▼公明党の支持層の80%余り、▼都民ファーストの会の支持層の90%余り、▼無党派層の30%余りから支持を得ました。

石丸さんは▼自民党の支持層の10%台後半、▼日本維新の会の支持層の20%台半ば、▼国民民主党の支持層のおよそ40%、▼無党派層の30%余りから支持を得ました。

蓮舫さんは、▼立憲民主党の支持層の60%台後半、▼共産党の支持層の60%台後半、▼れいわ新選組の支持層のおよそ30%、▼無党派層のおよそ20%から支持を得ました。

【年代別では】
▼10代と20代の▽40%余りが石丸さん、▽20%台後半が小池さんに投票しています。
▼30代は、▽およそ30%が石丸さん、▽同じくおよそ30%が小池さんに投票しています。
▼40代は、▽30%台半ばが小池さん、▽30%余りが石丸さんに投票しています。
▼50代では、▽40%余りが小池さん、▽20%台半ばが石丸さんに投票しています。
▼60代では、▽およそ40%が小池さん、▽20%台後半が蓮舫さん、▽およそ20%が石丸さんに投票しています。
▼70歳以上は、▽およそ50%が小池さん、▽およそ30%が蓮舫さんに投票しています。

【男女別では】
▼男性の▽30%台半ばが小池さん、▽20%台後半が石丸さん、▽およそ20%が蓮舫さんに投票しています。
▼女性は▽40%台後半が小池さん、▽20%余りが蓮舫さんに投票しています。

自民 小渕選対委員長「党としても協力したい」

自民党の小渕選挙対策委員長は「小池知事の2期8年の実績が多くの有権者に高く評価されたと考える。3期目も選挙で掲げた諸施策を力強く前へと進めてもらうことを期待し党としても協力したい。今後の全国での選挙にも大きな弾みになると考えるが、政治の信頼回復はいまだ途上にあり、改めて襟を正し改革に取り組んでいきたい」というコメントを発表しました。

維新 音喜多政調会長「小池知事の完勝と言ってよい結果」

いずれの候補者も支援しないとしてきた日本維新の会の音喜多政務調査会長は、記者団に対し「独自候補を擁立できず、力不足だった。小池知事の完勝と言ってよい結果で、子育て支援などの政策を都民が評価したのだろう。都民の審判を重く受け止め、引き続き是々非々の姿勢で都政の発展のために尽くしていく」と述べました。

その上で「石丸氏の躍進は、無党派層の期待のあらわれで、既存政党への不信感が非常に強いのだろう。新しい勢力に政治を預けたいという人たちの期待を集める政党になるよう、努力しなければならない」と述べました。

公明 山口代表「さらなる政策の実現を期待したい」

公明党の山口代表はNHKの取材に対し「小池知事にはさらなる政策の実現を期待したい。自民党の政治不信がマイナスの影響を与えたというよりは、小池氏の実績が評価されたと言えるのではないか」と述べました。

一方、選挙運動のあり方について「当選を目指すとは言えない候補者の行動や選挙妨害があり、有権者の戸惑いや憤りはいっそう強まっている。公職選挙法の改正も視野に検討を進めるべきだ」と指摘しました。

立民 大串選対委員長「厳しい結果だ」

立憲民主党の大串選挙対策委員長は、NHKの開票速報番組で「厳しい結果だ。われわれは小池都政に対する批判票を受け止めるべき立場だったが、及ばなかった。なぜ無党派層からの支持が伸びなかったのか、よく分析したい」と述べました。

その上で、次の衆議院選挙に向けた野党連携について「政権選択選挙になるので、『裏金問題』で信頼を失った自民党政権に代わる選択肢を示していくことが、野党第1党としてのいちばん大きな責任だ。野党の議席を最大限、増やしていけるように、各野党と力を合わせていく」と述べました。

共産 小池書記局長「非常に残念な結果」

蓮舫氏を支援した共産党の小池書記局長は記者団に対し「非常に残念な結果だが、蓮舫氏が『自民党政治と小池都政を変える』という旗を掲げて立ち上がったことは、多くの都民を励ました。今回の選挙は、自民党が真正面に出てこなかったので、自民党の『裏金政治』を都民が容認したと思ったら大間違いだ。引き続き都民が主人公の都政改革のために全力を尽くす」と述べました。

関連情報

▽都知事選の開票終了、小池氏291万票超 次点は石丸氏、蓮舫氏3位<朝日新聞デジタル>20242024年7月8日 4時35分

写真・図版

 7日投開票された東京都知事選は開票が終了し、現職の小池百合子氏(71)が291万超の票を得て3選を果たした。

 各区市町村の選挙管理委員会が発表した開票結果によると、小池氏の得票数は計291万8015票(得票率42・77%)。前回2020年都知事選の366万1371票より約74万票減らした。

 次点は前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)で計165万8363票(24・30%)だった。前立憲民主党参院議員の蓮舫氏(56)は計128万3262票(18・81%)で3位に沈んだ。続いて、元航空幕僚長田母神俊雄氏(75)が計26万7699票、AIエンジニアの安野貴博氏(33)は計15万4638票だった。過去最多の56人が立候補したが、上位3人を除いては、得票が有効投票総数の10分の1に達せず、供託金300万円は没収となる。

 同じく7日に9選挙区(いずれも被選挙区1)で投開票された都議補選は、裏金事件などで逆風下にある自民党が8選挙区で候補者を擁立したものの、6選挙区で落選した。

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