- バイデン氏が選挙戦継続を表明、米株は選挙までに10%下落も
- 米インフレ期待低下、フランス政治混迷へ、TSMC1兆ドル
「私はどこにも行かない」。バイデン米大統領は民主党議員に充てた8日の書簡でこう言明。どう前進するのかという議論はそろそろ終わりにするべきだとし、別の候補者擁立を模索する党内の動きを改めて強くけん制しました。モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は米大統領選などを巡る不透明感を背景に、株式相場の調整に備える必要があると指摘しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
「戦い抜く」
バイデン米大統領は民主党議員に充てた書簡で「私はこのレースに残り、最後まで戦い抜き、ドナルド・トランプを打ち負かすことを固く誓う」と表明。MSNBCにも予定外に電話出演し、党内から不満の声が漏れていることに苛立ちを見せるとともに、過去数日に行った集会を通じて有権者が自身の選挙戦継続を望んでいることを確信したとも述べた。週末には、民主党有力下院議員のうち数人がバイデン氏撤退を望む考えを新たに示していた。
10%調整も
米株の見通しについて、モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は「大統領選挙までに10%の調整が入る可能性は高いだろう」と発言。7-9月(第3四半期)は「平たんではない」との見方を示した。「これから年末にかけて株価が上昇する可能性は非常に低い。通常よりもはるかに低いだろう」とブルームバーグテレビジョンのインタビューで述べ、年末の株価が現在の水準を上回る確率は20-25%と予想した。
連続で低下
米消費者の今後1年間のインフレ期待は、6月に2カ月連続で低下した。住宅価格やその他の生活費上昇に対する見通しが軟化した。ニューヨーク連銀のデータによれば、1年先のインフレ期待は6月に3%と、前月の3.2%から低下。昨年12月から今年3月までの水準に戻った。この調査結果は、今年第1四半期に予想以上に根強かったインフレがここ数カ月に減速したことを示すデータと一致する。
政治的混迷
フランス国民議会(下院)選挙決選投票の結果、明確な多数派を持たない分裂議会が誕生したことで、同国は長期にわたる政治的混迷へと向かっている。マクロン大統領は総選挙について、フランスの政治状況を明確にするためのものだと述べていたが、むしろ可能な政権の形を探る数週間にわたる交渉の幕開けとなった。政治アナリストのアントニオ・バローゾ氏は「極端な事態は回避された。しかし問題は、政権成立への簡単な道がないことだ」と話した。
時価1兆ドル
台湾積体電路製造(TSMC)の時価総額が一時1兆ドルに達した。8日のニューヨーク株式市場でTSMCの米国預託証券(ADR)は一時4.8%上昇。年初来では80%を超える値上がり。複数の金融機関が同社の目標株価を引き上げている。アップルやエヌビディアに重要な半導体を供給するサプライヤーとして、TSMCは人工知能(AI)に投資する世界の投資家から選好されている。
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