• 円一時157円台に急伸し介入観測浮上、米CPIは広範囲に減速
  • 金利調整を正当化か、バイデン氏を説得、ハイテク列強「続く」

ニューヨーク外国為替市場で円が急伸。前日比で一時4円超の上昇に「トレーディングデスクに波紋が広がった」との声も。ただ、持続的な円上昇は日米の金融政策シフトがある場合に限られるだろうと、ロード・アベットのリア・トラウブ氏はみています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

一時157円台

円はドルに対し、一時は2.6%高の1ドル=157円44銭を付けた。6月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことを受けて利下げ観測が強まった。市場では介入観測が出たが、神田真人財務官は日本時間11日夜、為替介入の有無について「これまで通り何もコメントする立場ではない」と記者団に述べた。月次ベースの介入の有無は、総額の形で月末に公表される。

広範囲に鈍化

6月の米CPIは広範囲に鈍化。近い時期に利下げが可能だという、これまでで最も強いシグナルとなった。コアCPIは前月比0.1%上昇と、2021年8月以来の小幅な伸び。前年同月比では3.3%上昇と、3年余りで最も低い伸びにとどまった。総合CPIは前月比0.1%低下と、新型コロナ禍初期以来のマイナス。中でも住居費の伸び減速が目立った。

政策調整正当化

サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、「雇用やインフレ、国内総生産(GDP)、景気見通しに関するデータなど、これまでに得られた情報を考慮すると、何らかの政策調整が正当化される可能性が高い」と発言。ただ、具体的な利下げ時期を示すには至らなかった。セントルイス連銀のムサレム総裁は、「6月CPI統計はインフレ低下に向けたさらなる前進を示唆している」と指摘。「インフレ率が今後2%に収束していくと見込めるような証拠をさらに探すつもりだ」と述べた。

説得策を協議

バイデン米政権の顧問や選挙陣営に参加する少人数のグループは、バイデン大統領ではトランプ前大統領に勝つことは不可能だが、ハリス副大統領のような別の候補者であれば勝利できるとバイデン氏を説得する必要があると協議している。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じた。同紙はまた、ハリス氏がトランプ氏と対決するという想定に基づいた有権者調査をバイデン陣営が依頼したと伝えた。

「何年も続く」

ニューバーガー・バーマン・グループのスティーブ・アイズマン氏は、米大型ハイテク株の際立つ強さは「何年も続く」とみている。人工知能(AI)が電子機器を通じて、消費者にとってより身近になるためだという。一方、ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストによると、投資家の間では米大手テクノロジー企業がAIに費用をかけ過ぎているとの懸念が強まりつつある。

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