Samuel Stolton、Jennifer Surane
- アップルは決済技術を競合に開放すると約束、EUが受け入れ
- 合意は10年間順守する義務、違反なら世界売上高の最大10%の罰金も
米アップルはモバイルウォレット技術を今後10年にわたり他社に無償で開放することに合意し、欧州連合(EU)の規制当局から制裁金を科される可能性を回避した。
両者の和解により、アップルが厳重に守ってきた決済技術に対するEUの調査は打ち切られる。EUはこれまで、この技術に対するアクセスの制限は市場支配力の乱用に当たると警告していた。
EUで競争政策を担当する欧州委員会のベステアー上級副委員長は「アップルは『iPhone』のモバイル決済技術へのアクセスを競合各社に認めると約束した」と表明。この決定でアップルは「iPhoneのエコシステムから他社のモバイルウォレットを排除」することができなくなるだろうとの見解を示した。
この和解の下、欧州の消費者はモノやサービスの支払いに代替のデジタルウォレットを利用できるようになる。アップルは合意を10年間順守する法的な義務を負い、違反する場合には年間の世界売上高の最大10%に上る罰金が科される恐れがある。
原題:Apple Avoids EU Antitrust Threat With Tap-and-Pay Probe Deal (2)(抜粋)