▽EU、ハンガリーで外相会合開催せず オルバン氏の訪ロに反発<ロイター日本語版>2024年7月23日午前 4:33 GMT+9

ハンガリーの独断「平和ミッション」容認できず、対応検討=EU

[ブリュッセル/パリ 22日 ロイター] – 欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は22日、ハンガリーが8月末に主催する予定だったEU外相会合の開催場所をブリュッセルに変更すると発表した。ハンガリーのオルバン首相のロシア接近への反感がEU内で広がっていることへの対応とした。

ハンガリーは現在EU議長国を務めており、8月28-29日にブダペストで外相会合、その後に国防相会合を開く予定だった。ボレル氏は、これらの会合に出席するか加盟国から合意が得られていなかったとし、多くの国がハンガリーにメッセージを送る必要があると考えていたため、開催地をブリュッセルに変更したと説明。「象徴的なメッセージであっても、メッセージは送らなければならない」と述べた。

オルバン首相はEU加盟国との十分な調整なしに「平和ミッション」と称し、ウクライナのゼレンスキー大統領ほか、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、トランプ前米大統領と相次いで会談。欧州議会は17日、オルバン氏のロシア訪問を「EUの条約と共通外交政策に対する明白な違反」と非難し、ハンガリーに罰則を科すべきとの考えを示していた。 もっと見る

この日にブリュッセルで開かれたEU外相会合でも、多くの国がハンガリーを非難。ポーランドのシコルスキ外相は、8月のEU外相会合をウクライナで開催することを提案したものの、ハンガリーが反対票を投じたと明らかにした。

ハンガリーのシーヤールトー外相はボレル氏の決断を「子供じみている」と批判。EU外相会合に先立ちソーシャルメディアへの投稿で、オルバン首相の「平和ミッション」はさらなる外交への扉を開いたとし、「ここ数週間、EU諸国指導者の一角は失敗した戦略に対する不満や嫉妬から、われわれの平和ミッションに立腹している」と批判していた。

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