By Dan Burns

アングル:市場の動揺誘った米雇用統計、先行き安心できる4つの理由

[2日 ロイター] – 7月の米雇用統計は予想外の弱さで金融市場の動揺を誘い、9月に想定される米連邦準備理事会(FRB)の利下げ幅の全面的な見直しにつながった。

雇用統計は、失業率が新型コロナウイルスのパンデミック後で最も高くなったほか、民間就業者の伸びが過去16カ月で最低にとどまるなど、さえない要素が多かった。 もっと見る

ただ明るい材料がなかったわけではない。労働力人口は2カ月連続で力強い伸びとなり、今回の低調な雇用情勢の背景にはハリケーン「ベリル」という一時的な天候要因があったとの疑いも根強いからだ。

本格的な労働市場の悪化ではないと安心できる4つの理由は以下の通り。

◎ベリルの影響

米労働省は公表した雇用統計の最初のページに大きな注釈を付けた。ベリルについて、雇用統計調査週にテキサス州を襲ってヒューストンの多数の世帯や企業が何日も停電を強いられたにもかかわらず、7月のデータに「明白な影響」を及ぼさなかったと述べた。

しかし何人かのエコノミストは、そうした見方に待ったをかけている。

例えば悪天候で働けなかったと報告した人が、非農業部門で43万6000人、農業部門を含めると46万1000人も存在するからだ。

この数は7月として過去最高であるだけでなく、1976年のデータ開始以降の7月平均の10倍を超える。

また悪天候のせいで100万人余りはパートタイムでしか働けなかった可能性があり、それも7月として過去最高だった。

ジェフリーズの米国エコノミスト、トーマス・シモンズ氏は「今回のデータの弱さに関してベリルを『無罪放免』できるのか確信が持てない」と記した。

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◎一時解雇

7月に失業は一時的と答えた人の数は約3年ぶりの高水準に上り、増加した失業者35万2000人の半分以上を占めた。

こうした一時解雇の期間が数週間にとどまるか、恒久的とならない場合、8月雇用統計でその大半が就業者としてカウントされる、というのがエコノミストの見通しだ。

そしてここにもベリルの影が見える。

オックスフォード・エコノミクスの首席米国エコノミスト、ナンシー・バンデンホーテン氏は「これらのレイオフの一部はベリルに関係している可能性があると考えている」と記した。

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◎建設雇用は堅調維持

景気先行指標とみなされる傾向がある建設部門、特に住宅建設などの雇用は7月も昨年とほぼ同じペースの伸びが続いた。

新規就業者数は2万5000人で、パンデミック前の5年間の月平均である約2万人をやや上回っている。

これは足元数カ月低調な住宅着工が回復する兆しの可能性がある。

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◎プライムエイジの労働参加率

エコノミストは、いわゆるプライムエイジと呼ばれる25―54歳の動きを注視している。彼らは米労働力人口の大半を占めるからだ。

そのプライムエイジの労働参加率が7月は84%と2001年以来の高水準を記録した。

プライムエイジの男性の参加率は90%で、2007―09年の金融危機後初めて90%台に到達。同女性の参加率も78.1%と、5月につけた過去最高に並んだ。

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