By Rachael Levy
[4日 ロイター] – 米実業家イーロン・マスク氏が創設した新興企業ニューラリンクは、四肢麻痺を患う人が考えるだけでデジタル機器を使えるようにするために脳にチップを埋め込む技術(脳インプラント)の臨床試験で、2人目の患者への埋め込みに成功したと明らかにした。
同社は脊髄損傷を患う人を支援する装置の試験を進めている。最初に脳インプラント手術を行った患者はビデオゲームをしたり、インターネットを閲覧し、ソーシャルメディアに投稿し、ノートパソコンのカーソルを動かしたりできるようになった。
マスク氏は2日に公開されたポッドキャストでのコメントで、2人目の患者について、1人目の患者と同様、ダイビング事故で脊髄損傷を負ったと述べた。同氏は2人目の患者の脳のインプラントの電極のうち400個が機能していると説明。ニューラリンクのウェブサイトによると、同社のインプラントには1024個の電極が使用されている。
マスク氏は2人目の患者がいつ手術を行ったかは明らかにしなかった。臨床試験の一環として、年内にあと8人の患者で脳インプラントを試す見通しだという。
ポッドキャストでは1人目の患者がインタビューに応じ、ニューラリンク幹部3人とともにインプラントとロボット主導の手術について詳細を語った。
この患者は1月に手術を受ける前は、口に入れたスティックでタブレット端末の画面に触れながらコンピューターを使っていた。脳インプラントを入れたことで、コンピューターの画面上で自分が望んでいることを考えるだけで、装置がそれをしてくれるようになったという。そのおかげで少しは自立できるようになり、介護者への依存が減ったと述べた。