[モスクワ 28日 ロイター] – ロシア経済が足元で堅調に成長していることが、28日公表の指標で分かった。軍需生産が経済活動を支え、契約軍人の報酬が賃金を押し上げているからで、ウクライナ侵攻を巡り欧米から経済制裁を科せられているにもかかわらず、当局者は今年について強気の見通しを示した。
軍需生産がけん引し、7月の鉱工業生産は3.3%増と、前月の2.7%増から加速。今年上半期の国内総生産(GDP)成長率速報値は4.6%と、前年同期の1.8%を上回った。
政府当局者は民間設備投資を含む資本投資が好調で、成長率に寄与したと説明。資本投資は第2・四半期に前年比8.3%増の8兆4400億ルーブル(920億ドル)となった。
経済発展省のポリーナ・クリュチュコバ次官は上半期の高い成長率を踏まえると2024年通年の成長率は4月時点の予測より強い数字が期待できると述べた。
西側諸国の経済制裁や、中国など主要貿易相手国との国際決済の問題により上期の輸入は9%減少。
ただ、中央銀行は労働力不足や賃金上昇、高インフレを挙げて景気過熱の兆候があるとし、引き締め策を継続する考えを示した。
ウクライナに派遣する契約軍人の給与がけん引し、6月の実質賃金は6.2%増え、平均名目賃金は15.3%増の月額8万9145ルーブル(約974ドル)だった。