Mackenzie Hawkins、Ari Natter

  • グーグルやアマゾン、マイクロソフトなどのトップも会合に参加
  • AIプロジェクトに必要なデータセンターの開発推進などで一致

オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)と米エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは12日、ホワイトハウスでバイデン政権高官や他の業界リーダーと会合を開き、人工知能(AI)プロジェクトに必要な大規模インフラへの対応策について協議した。

  今回の会合に関するホワイトハウスの声明によると、米テクノロジー業界からはアンソロピックのダリオ・アモデイCEO、グーグルのルース・ポラット社長、アマゾン・ドット・コムのクラウド部門責任者マット・ガーマン氏、マイクロソフトのブラッド・スミス社長も出席。政府側はレモンド商務長官、サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、グランホルム・エネルギー長官らが参加した。

  ホワイトハウスは会合後、米国におけるデータセンター開発促進に向けた省庁間タスクフォースに加え、そうした施設に関する許認可の迅速化を後押しするイニシアチブを発表した。業界の急速な発展でデータセンターやエネルギー供給への多額の投資が必要となったAI分野で、米国が確実にリーダーシップを維持できるようにすることが狙い。

  ホワイトハウスの声明によると、エネルギー省はデータセンターの所有者や運営者に対し、クリーンで信頼性の高い電源確保に役立つ融資、助成金、税額控除などのリソースを提案する予定だという。エネルギー業界からはエクセレオンのカルビン・バトラーCEOらが会合に出席した。

  例えば、オープンAIはデータセンター、エネルギー生産能力、送電、半導体製造にまたがる国内AIインフラ整備に数百億ドルを投じる計画で、世界中から投資が集まっている。同社幹部は外国資本に伴う国家安全保障上の懸念など、この構想に関連するさまざまな問題を巡り数カ月にわたって政府当局者と会合を重ねてきた。

  オープンAIは12日の発表資料で、「米国にさらなるインフラを構築することはわが国の産業政策と経済の未来にとって極めて重要だと当社は考えている」と説明。米国のデータセンタープロジェクトへの投資について、複数の州で4万人の雇用が創出される可能性といった経済的なメリットがあると強調し、2030年までに世界的なAIリーダーになることを目指す中国も同様の投資を行っていると付け加えた。

アルトマン氏のインフラ計画、米国内で数百億ドル投資目指す-関係者

  一方、ポラット氏は発表資料で、AIという新たな分野で米国のリーダーシップを確実なものにするには国内の強固なエネルギーインフラが不可欠だと主張。「この日のホワイトハウスでの会合は、米エネルギー網の近代化と能力拡大に必要な作業を前に進める重要な機会となった」と指摘した。

  アンソロピックとマイクロソフトはコメントを控えた。

原題:OpenAI, Nvidia Discuss AI Infrastructure Needs With Biden Team(抜粋)