▽ペンシルベニア天然ガス業界、ハリス氏にエネルギー政策明確化を要望<ロイター日本語版>2024年9月27日午前 11:18 GMT+9

By Jarrett Renshaw

ペンシルベニア天然ガス業界、ハリス氏にエネルギー政策明確化を要望

[エリー(米ペンシルベニア州) 26日 ロイター] – 米ペンシルベニア州の天然ガス業界が今週開いた会合で、11月の大統領選の民主党候補であるハリス大統領に対して自身が掲げるエネルギー政策をもっと詳しく示してほしいとの意見が相次いだ。

バイデン大統領は1月、液化天然ガス(LNG)の新規輸出許可について環境への影響評価を実施するために一時停止することを決定した。環境保護重視の有権者にアピールする狙いがあった。

共和党候補のトランプ前大統領は、当選すればこの停止措置を直ちに撤廃すると表明。ハリス氏が勝利した場合は一時停止が解除されるとともに、環境影響評価の結果を踏まえた提言を受け入れる公算が大きい。

ペンシルベニアは大統領選で屈指の激戦州であるあると同時に、米国の天然ガス生産量2位の州。資源はシェール層にあるため、採掘には化学物質を含む高圧水を使用する方法のフラッキングが必要になる。

ハリス氏はエネルギー政策で、側近が「戦略的曖昧さ」と呼ぶ方針を採用しており、大統領選までは環境保護派や穏健派の票が逃げるのを防ごうとしている。一方で以前には反対を唱えていたフラッキングの禁止はしないと約束した。

こうしたハリス氏の姿勢に対してペンシルベニアのガス業界団体、マーセラス・シェール・コアリションを率いるデーブ・キャラハン氏は「もっと詳細な内容が必要だ」と訴えた。

ペンシルベニアが採掘の中心値となっているマーセラス・シェール層の有力業者セネカ・リソーシズ・カンパニー幹部のロブ・ボウルウエア氏も「関係者は選挙前にこの問題でのハリス氏の立ち位置を知りたがっているのは間違いないと思う。なぜなら最終的に、自分たちに影響を及ぼすからだ」と語った。

天然ガス大手EQTのトビー・ライス最高経営責任者(CEO)は、米国には膨大な資源があるのにエネルギー価格が35%も上昇しているという奇妙な現象の理由は、政治の力が市場メカニズムを圧倒してしまっているからだと苦言を呈した。

ハリス陣営の広報担当者は、ハリス氏も業界の要望は認識しているものの、LNGに関する具体的な対応は環境影響評価の結果に従わなければならないと指摘した。

陣営幹部は「エネルギーコストやエネルギー安全保障、環境、公衆衛生に見込まれる影響などの最善の経済的、科学的な情報を集めて決定を下すべきだとハリス氏は信じている」と説明した。

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