[ワシントン 10日 ロイター] – 米労働省が10日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇した。食品価格の上昇を背景に市場予想の2.3%を小幅上回った。しかし、2021年2月以来約3年半ぶりの小幅な伸びにとどまったことで、米連邦準備理事会(FRB)は11月も利下げを継続する見通しだ。
8月は2.5%上昇だった。
前月比では0.2%上昇し、伸びは前月と並んだ。市場予想は0.1%上昇だった。
食品は0.4%上昇し、8月の0.1%上昇から伸びが加速した。一方、ガソリンは4.1%下落した。
家賃は0.3%上昇。前月は0.4%上昇だった。コアインフレの押し上げ要因として注目される持ち家の帰属家賃も0.3%上昇と、伸びは前月の0.5%上昇から鈍化した。
FHNファイナンシャルのマクロストラテジスト、ウィル・コンパーノレ氏は「CPIは予想以上に上昇したものの、FRBによる来月の0.25%ポイント利下げの軌道を逸脱させるほどは加速していない」と指摘。「インフレ加速を懸念させる要素もあったが、住宅インフレの減速は、今後のコアサービス価格鈍化に向け良い前兆だ」と述べた。
国家経済会議(NEC)のブレイナード委員長は、インフレ率がパンデミック前の水準に戻り、1600万人の雇用が創出される中、金利が低下し、失業率は低水準にあるなど、米経済は着実に進展を続けていると述べた。
変動の大きい食品とエネルギー成分を除くコアCPIは、前年比3.3%上昇した。市場予想は8月と同じ3.2%上昇だった。
前月比では0.3%上昇し、伸びは8月と同じだった。市場予想は0.2%上昇。
中古車・トラックの価格上昇がコアインフレの前月比での上昇を主導した。そのほか医療関連は0.4%上昇、自動車保険は1.2%上昇、衣料品は1.1%上昇、航空運賃は3.2%上昇した。
CMEのフェドウォッチによると、市場が織り込む11月6─7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%ポイント利下げの確率は約87%。金利据え置きの確率は約13%となった。