半導体の受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)は今月、特定の顧客向けに製造した半導体が最終的に中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)に渡っていたことを発見した。ファーウェイへの技術流出の防止を目指す米国の制裁措置に違反する可能性がある。
この件について直接的に知り得る立場にある人物によると、TSMCはファーウェイ製品に搭載されていることに気づき、10月中旬頃にその顧客への出荷を停止した。その後、米政府と台湾当局の双方に通知。問題についてさらに徹底的な調査を行っている、とその人物は匿名を条件に明らかにした。
その顧客がファーウェイに代わって行動していたのか、どこに拠点を置いているのかは分かっていない。ここ数日には、テクノロジーニュースサイトのジ・インフォメーションなどが、ファーウェイ向けに半導体を製造していないか、米政府がTSMCに問い合わせたと報じていた。
今回の問題発覚により、国産半導体開発で中国政府が大きな期待を寄せるファーウェイがどのようにして先端チップを入手したのか、新たな疑問が生じている。カナダの調査会社テックインサイツは最近、ファーウェイの最上級AIアクセラレーターの少なくとも1つを分解。その際、TSMCの半導体を発見した。
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TSMCの広報担当者は最新の動向についてコメントを控えた。ファーウェイ広報担当者は現時点でブルームバーグ・ニュースの取材に対してコメントしていない。米商務省の報道官は22日、同省産業安全保障局が「米国の輸出規制違反の可能性を指摘する報道について把握している」と述べた。
原題:TSMC Cuts Off Client After Discovering Chips Diverted to Huawei(抜粋)