10月の米生産者物価指数(PPI)は前月から伸びが加速した。ポートフォリオ運用サービス費など、個人消費支出(PCE)価格指数に反映される項目が押し上げ要因となった。

キーポイント
・PPI(最終需要向け財・サービス)は前月比0.2%上昇
 ・エコノミスト予想の中央値と一致
 ・9月は0.1%上昇(速報値は変わらず)に上方修正
・前年同月比では2.4%上昇
 ・市場予想は2.3%上昇
 ・9月は1.9%上昇(速報値は1.8%上昇)に上方修正

  変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは前月比0.3%上昇、前年同月比では3.1%上昇した。

  13日発表された10月の米消費者物価指数(CPI)統計では、コアCPIが前月比0.3%上昇と、3カ月連続で同率の伸びとなり、基調的なインフレが根強いことを示した。物価上昇圧力は今年に入って落ち着いてきているが、最近では足踏み状態となっており、今後の米利下げペースが緩やかになる可能性がある。

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  LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「企業が関税リスクを意識しながらサプライチェーンを管理することを踏まえると、PPIデータは今後、変動がやや激しくなることが予想される」とリポートで指摘した。

US Wholesale Prices Accelerate | PPI also showed pickups in categories that feed Fed's preferred inflation gauge

  エコノミストは、米金融当局がインフレ指標として重視するPCE価格指数に反映されるPPIデータの項目に注目している。同項目では、ポートフォリオ運用サービス費が3.6%上昇し、6カ月ぶりの大幅上昇となった。

  PPIの発表を受けて、一部のエコノミストはPCEコア価格指数の予想を前月比0.3%上昇に引き上げた。これは年率ベースで米金融当局の2%目標を大幅に上回ることを示唆する水準だ。PCEデータは27日に発表予定。

  航空運賃も2022年末以来の大幅な伸び。ヘルスケア関連の項目は大半で加速した。

  サービスコストは0.3%上昇。伸びは前月の0.2%上昇から拡大した。機械および車両の卸売マージンの改善に加え、ケーブルおよび衛星放送の加入者サービスが押し上げ要因となった。

  財価格(食品・エネルギー除く)は前月比0.3%上昇と、前月からやや加速した。発表元の労働省労働統計局(BLS)は、炭素鋼スクラップの価格が8.4%上昇したことが「主因」だと説明した。

  一方、食品・エネルギーの卸売価格が下がり、PPI全体の下押し要因となった。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Producer Prices Rise, Risking Pressure in Fed’s Favored Gauge(抜粋)