▽トランプ氏、商務長官にルトニック氏起用-高関税策主導へ<bloomberg日本語版>2024年11月20日 6:19 JST
トランプ次期米大統領は商務長官にキャンターフィッツジェラルドのハワード・ルトニック最高経営責任者(CEO)を起用すると表明した。次期政権が推進する見込みの大幅な関税引き上げでルトニック氏は中心的な役割を担うことになる。
トランプ氏は自身のソーシャルネットワーク「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「キャンターフィッツジェラルドの会長兼CEOであるハワード・ルトニック氏が商務長官として私の政権に参加すると発表できることをうれしく思う。彼は政権の関税・貿易政策を主導する」とコメントした。
ルトニック氏(63)はウォール街で最も著名なトランプ氏支援者の一人で、トランプ氏のポピュリスト的政策を支持し、金融界への働きかけを助けている。選挙戦中はトランプ氏の支援で全米を飛び回り、製造業雇用の国外流出を嘆き、高インフレを批判した。また政権移行チームの共同責任者として、新政権の政策推進に向け体制づくりを担ってきた。
連邦政府と民間部門の橋渡し役を担う商務省は、トランプ氏の政策実現を目指す上で重要な役割を果たすことになる。
トランプ氏は中国からの輸入品に60%、その他の国からの輸入品に一律10%ないし20%の追加関税を課すとしている。一部のエコノミストはトランプ氏の関税案が実行されれば消費者物価を押し上げる可能性があるとみている。
キャンターフィッツジェラルドのウェブサイトによると、ルトニック氏はハバフォード大学卒業後、1983年に入社。91年に社長兼CEOに就任した。ニューヨークの貿易センタービルにオフィスを構えていた同社は2001年の同時多発テロで従業員658人を失った。犠牲者にはルトニック氏の弟ゲーリー・ルトニック氏も含まれていた。
ルトニック氏はテロで壊滅的な打撃を受けた同社の立て直しに取り組み、再建を果たした。トランプ氏がホストを務めたリアリティー番組「アプレンティス」シリーズにゲストとして出演したこともあるルトニック氏はトランプ氏の富と権力構造の中心的存在だ。
トランプ氏はバイデン政権の重要施策の一つだった気候変動対策を一部撤廃すると公言しており、グリーンプロジェクトへの助成金が縮小される可能性がある。ただ、インフレ抑制法(IRA)の一部奨励金は石油会社など中心的な共和党支持層が強く後押ししているため、同法の廃止は難しいとみられている。
原題:Trump Picks Cantor Fitzgerald’s Lutnick as Commerce Chief (2)(抜粋)
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